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キャタピラーでグローバル労働組合ネットワークを構築

世界中から集まった労働組合員が、世界最大の建設・鉱山機械メーカーであるキャタピラーで協力を強化し、労働組合ネットワークを生み出すことに合意した。

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フランス7カ国(ドイツ、ベルギー、イタリア、フランス、日本、アメリカ、イギリス)のキャタピラー施設で労働者を代表している70人以上の労働組合代議員が、IMFの後援を受けて2010年4月28〜29日にフランス・グルノーブルで会合を開いた。

この会合で組合代表は、まず建設市場の状況と世界のキャタピラー・グループ、危機発生中およびその前後の政策と経済・産業問題について議論した。また、全世界におけるキャタピラーの社会政策や人的資源管理も取り上げた。全国・工場レベル代表からの報告は、グループのさまざまな施設における雇用・労働条件に関する情報を直接入手し、グローバル化経済においてキャタピラーの労働者が直面する問題について洞察を得るうえで役立った。

機構改革、社会計画、労働強化、すべての形態の不安定雇用、新しい作業編成、労働者を競い合わせる手法、経営側との対話不足、経営側の反組合的な方針といった問題が、代議員によって提起された。各国の特性や文化を超えて共通の問題と目標があることは、キャタピラーで労働者の基本的権利を促進して雇用・労働条件を改善するために、組合が連携を強化して協力する必要があることを示している。

フランスで開かれたこの初会合の結果、参加者は、国際レベルにおける協力を補強し、キャタピラー労働組合ネットワークを構築することに合意した。目標は、各国の状況に関する情報交換を促進するとともに、世界中のキャタピラーと同社のサプライヤー・下請業者で労働者の権利を促進するために一致協力し、共同イニシアティブや行動を立案することである。代議員は、会合に代表が参加していない他の国々のキャタピラー労働者と関係を確立して連帯を構築することについても合意し、ネットワークの作業計画を練り上げるために各地域の代表で構成される起草グループを設置した。

参加者は、キャタピラー現地経営陣がフランスの組合による工場見学の要請を拒絶したことに遺憾の意を表し、キャタピラー経営陣とIMFキャタピラー労働組合ネットワークが世界レベルで建設的かつ率直な対話を始めるよう要求した。

この会合は、多国籍企業との対抗勢力の構築を目的にIMFが策定した広範な労働組合ネットワーク戦略の一部である。
[2010年4月30日――アンヌ=マリー・ミューロー]