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グローバル・ユニオン、カナダ政府にアスベストに関する懸念を表明

グローバル・ユニオンは、労働者追悼日を記念して国際連合カナダ政府代表部に代表団を派遣し、開発途上地域へのアスベスト輸出振興をやめるようカナダに要求した。

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ジュネーブグローバル・ユニオンは2010年4月28日、団結してカナダ政府に強力なメッセージを送り、アスベスト業界の圧力団体をこれ以上支援しないよう求めた。

グローバル・ユニオン代表団は、ジョアンヌ・ハミルトン国際連合カナダ政府代表部参事官と会談し、現在の国連方針で温石綿を含むアスベストが禁止されていることをカナダ政府に指摘した。代表団には、グローバル・ユニオン協議会(CGU)、国際労働組合総連合(ITUC)、それに最も大きな影響を受けている部門別国際組合である国際建設・林業労組連盟(BWI)、IMFおよび国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)の代表が加わっていた。

この代表団訪問への背景には、カナダの果たす役割がある。先進工業国がアスベスト禁止を推進する中で、アスベスト業界の圧力団体は、カナダ政府・在外公館の支援を受けてカナダでアスベスト業界の科学的・政治的・組織的リーダーシップを発揮しており、命取りになることが分かっているこの製品の開発途上地域への輸出を拡大することによって、アスベストの危険性を教えて使用を禁止するための努力に対抗しようとしている。

アンベット・ユーソンBWI書記長は、フィリピンが輸入する温石綿の93%がカナダ産であるという数字を引用して、「アスベスト関連疾患の流行に対処するための備えが特に不十分な国々が、この業界のターゲットにされている」という懸念を表明した。

鎌田普IMF書記次長は、「アスベスト関連疾患は潜伏期間が長いため、たとえ今日その使用を禁止しても、将来まだ死者が出るだろう」と強調し、これをインドとバングラデシュの船舶解撤労働者の痛ましい事例と対比させ、それらの労働者は多くの場合「明るい未来を保証されるべきであるのに教育の機会を与えられていない少年たちだ」と指摘した。

ICEM安全衛生・持続可能性担当役員のブライアン・コーラーも、カナダのCEPで安全衛生管理者として働いていたときに何人かの同僚をアスベスト関連疾患で亡くした経験があり、代表部に「ケベックでは労災死亡の60%がアスベスト関連であり、カナダはアスベスト産業の圧力団体を支援し続ければ、多大な犠牲を強いられることになる」と述べた。

一方、インドではIMFとBWIが、ニューデリーのジャンタル・マンタルで1日間の大規模ハンガーストライキを共同で組織した。全警備従業員組合と建設労連に所属する何百人もの労働者が集まり、アスベスト使用禁止を支持して抗議し、「どんな形や色であれアスベストは安全ではない」と述べた。

IMF/BWI代表団はインド首相のマンモハン・シン博士にも覚書を手渡し、すべてのアスベスト輸入を即座に禁止するよう求めるとともに、「カナダなどの先進工業国は、アスベストの使用はやめたが、相変わらずインドのような国々に大量に輸出している」と指摘した。

オーストラリアでは、オーストラリア製造労組(AMWU)が4月28日、オーストラリア・アスベスト疾患財団とともにカナダ大使館を訪れ、やはりアスベストの生産・流通の中止を要求した。

「カナダは、社会的・経済的責任の多くの分野で最先端に立っていると誇ることができるが、カナダのアスベスト業界が政府の支援を受けて、世界で最も弱い立場にある国々を狙って積極的に有毒製品を輸出していることが、この国の評判を大いに傷つけていることは間違いない」とポール・バスティアンAMWU全国会長は述べた。
http://www.amwu.org.au/read-article/news-detail/471/Rally-calls-for-end-to-Canadian-asbestos-trade/

関連リンク:
Previous news item: International Workers' Memorial Day 2010: Remember the Dead, Fight for the Living!
International Workers' Memorial day statement 2010 (pdf)
Memorandum to Indian Prime Minister demanding ban on asbestos (pdf)
Asbestos Exports (pdf)
Asbestos consumption estimate for 2008 (pdf)
Asbestos production, trade and consumption in 2007 - calculated in 2009 (pdf)


[2010年4月28日――チョン・ヘウォン]