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マレーシアのケーブル会社が組合つぶしを画策

フェデラル・パワー・ケーブルズ社は労働者との協約に従っておらず、電機産業労組をつぶそうと画策している。

マレーシアIMFに加盟する電機産業労組(EIWU)の組合員である約200人の労働者が5月19日、大手高圧線メーカー前で平和的なピケを実施した。この会社、フェデラル・パワー・ケーブルズは、組合との協約の条件を守っていない。同社はクアラルンプールから約40キロメートル離れたところにあるマレーシア最大の工業都市、シャーアラムにある。大勢の警察官が配備された。これはマレーシアの労使紛争ではお馴染みの光景である。

同労組はフェデラル・パワー・ケーブルズと労働協約を結んでいるが、経営側はそれに従っていなかった。経営側は300人を超える労働者に、協約に定めるボーナスと定期昇給分を支給することを拒否した。EIWUは何度か経営側と交渉しようと試みたが、果たせなかった。万策尽きた労働者は、同社敷地前でのピケ実施を決めた。

マニヤン・プーバンEIWU書記長によると、同社社長はあるとき「EIWUのような全国組合は好きではない。企業内組合のほうがいい」と公言した。また同社長は、労働協約の規定より有利な雇用条件を提供することによって、労働者を組合から脱退させた。

マニヤン書記長は、「経営側は多民族で構成される労働者を分裂させるために人種問題も利用している」と強調した。同社は人種に基づく情実を利用し、長期勤続労働者から促進の機会を奪っている。同書記長はこう付け加えた。「当労組は、この会社を営業不振から回復させるために5年間にわたって助力してきた。ところが事業が好転した今、経営陣は労働協約の規定を尊重しようとせず、労働者に当然の給付を支払いたがらない」。書記長は、「ピケを続行する予定であり、この工場は交代勤務制なので、さまざまな時間にピケを実施する」と強調し、「経営側は、30年以上にわたってこの会社で労働者を代表してきた当組合をつぶそうとしている」と不快感も表明した。

これに加えて経営側は、病気休暇や公認の年次休暇を取得した労働者に理由提示命令書を出し始めた。現地の職場委員にも、厳しい懲戒処分につながる可能性のある理由提示命令書が出された。

P・アルナサラムIMF地域代表はピケの現場に赴き、IMFを代表して連帯支援を表明した。同代表は経営側に対し、労働協約を尊重して労働者に給付を支払うよう要求した。

[2010年5月20日――P・アルナサラム]