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インドネシアで解雇された自動車労働者、法廷闘争で補償を獲得

インドネシアの労働者は、逸失賃金と解雇補償を確保するための前例のない法廷闘争に勝利した。

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インドネシアIMF加盟組織FSPMIは5月14日、大きな法廷闘争に勝利を収めた。これは労使紛争としては前例のない事件であり、インドネシアのベカシにあるキムコ・リッポ・モーター・インドネシア社との闘争である。特別地域裁判所は、同社の破産(支払不能)を宣言して労働者に有利な判決を下し、土地建物を含む動産・不動産を競売にかけ、これらの資産の売却益から労働者に相当な補償を支払うよう命じた。

キムコ・リッポ・モーター・インドネシア社は、75%の多数株主である光陽機車(台湾)と25%を保有するリッポ社(インドネシア)による合弁事業である。同社は2008年10月に廃業し、その後300人を超える労働者がロックアウトされ、突然解雇された。同社の問題は社内の株主紛争が原因で発生し、事業運営に影響を及ぼして会社を閉鎖に追い込んだ。

FSPMIは2008年から闘争を続ける一方、一連の法廷闘争も開始した。FSPMI組合員である300人の労働者が、現地の株主や他の債権者による会社の動産の持ち出しを防ぐために、会社の敷地内で毎日交代で監視した。

サイード・イクバルFSPMI会長は、この法廷での勝利に複雑な気持ちだと嘆き、「FSPMIは同社の破産を宣告させることに成功し、同社資産の処分命令を勝ち取ったが、現地の株主は上級裁判所に上訴するかもしれない」と述べた。FSPMIはあらゆるレベルで株主と闘う、と同会長は断言した。

イクバル会長は、インドネシアが厳しい失業危機に直面している時期にあって、労働者が仕事を失っていることに遺憾の意を表明した。「これらの労働者のほとんどは、この会社で10年以上忠実に働いてきたのに、ゴミのように捨てられた」と同会長は不快そうに述べ、「しかしながら、会社の資産の売却が終われば、労働者は逸失賃金と退職給付を補償されるだろう」と付け加えた。同会長は、厳しい状況に負けずに闘いを続けた労働者の勇気・決意を賞賛し、「この判決で、労働者は会社のステークホルダーであり、商品として扱ってはならないことが確認された」と強調した。

FSPMIはIMFにも、連帯支援を提供し、これらの不幸な労働者の苦況を公に大きく取り上げてくれたことを感謝した。

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Previous news story: FSPMI pursues unpaid wages at motorcycle factory in Indonesia


[2010年5月19日――P・アルナサラム]