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労働組合が採掘独占の弊害を強調

5月にパリで開かれたOECD鉄鋼委員会において、IMFは巨大鉱山会社の弊害を強調し、持続可能な未来を要求した。

パリ参加した組合関係者は、先ごろの経済協力開発機構(OECD)鉄鋼委員会の会合で、世界最大手の鉱山各社による持続不可能な慣行について各国政府に情報を提供した。特に、ヴァーレ、グルーポ・メヒコ、リオ・ティント、BHPビリトンは対立的な姿勢で組合や従業員を扱っている。

採掘産業は世界の鉄鋼業の不可欠な部分であり、このところ業界首脳は、これら各社による独占が原因で原料が値上がりしている状況について懸念を表明している。この値上がりは採掘産業が記録的利益を上げている時期に行われ、世界の鉄鋼業に損害を与えている。IMFが委員会に提出した文書で指摘されているとおり、これらの企業は原料に対する独自の支配権を悪用しているだけでなく、従業員により少ない賃金でより多くの仕事をさせようとしている。

根津利三郎OECD鉄鋼委員会議長は、声明の中で次のように述べた。「一部の原料産業の市場構造に問題があり、これが鉄鋼業や下流産業の安定性に影響を及ぼしかねないことについて、懸念が強まっている。代議員は、鉄鋼業が原料を無制限に利用できるようにするために、透明性の向上と原料貿易に影響を与える障壁の撤廃も求めた。これは各国の政府・競争当局が取り組むべき問題である」

ロブ・ジョンストンIMF鉄鋼産業部会担当部長は、政府は労働者を保護するためにもっと多くのことをしなければならないとの考えを示し、以下のとおり要求した。「原料価格は過去1カ月間に最大100%以上高騰している。これらの企業は労働者に頼って巨利を得ており、この状況をなくさなければならない。政府には果たすべき明確な役割がある。例えば、カナダのサドベリーで地域社会の根幹を揺るがしているヴァーレのような企業を誇りに思えるブラジル人がいるだろうか。これは優れたビジネスセンスではなく、単なる貪欲だ。OECDとその加盟国は、これらの企業から鉄鋼業を保護するために介入し、もっと多くのことをしなければならない」

会合では、世界の鉄鋼業が金融危機から回復している現状も報告されたが、上昇の勢いが地域によって異なることが指摘された。現在、製鋼所の稼働率は約80%で、2008年末から20%近く上昇している。貿易問題は依然として業界にとって関心事であり、開放的かつ公正な市場の維持が極めて重要である。IMFは、各国の基準を評価するにあたって労働者の権利を重要な要素とみなす必要があることを強調した。

関連リンク:
IMF submission to OECD Steel Committee (pdf)


[2010年5月18日――ロブ・ジョンストン]