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リベリアの組合がヴァーレの投資に反対

協約交渉で大幅な譲歩を要求するヴァーレに対抗してスト中のカナダの労働者と連帯して、リベリアの組合は自国政府に対し、ギニアの鉱床からリベリアを通過して沿岸部まで鉄道を建設する許可を同社に与えないよう強く要請している。

リベリアリベリアの産業別労組は自国政府に対し、ブラジル系ヴァーレに国内での輸送・採掘を許可する前に、同社の過去の実績を調べるよう要求した。

リベリア林業・伐採・産業労組(FLIWUL)はカナダでスト中のヴァーレ労働者を支持して、同社がリベリアを経由して鉄道を建設するという案に抗議している。

先ごろ、ヴァーレはBSGリソーシズから、東ギニア・シマンドウ近郊にある鉄鉱石採掘区画の利権の51%を購入した。同社はギニアからリベリア経由で大西洋岸まで、鉄道・物流ルートを建設しようとしている。

FLIWULは5月13日付の書簡でジョンソン=サーリーフ大統領に対し、ヴァーレに鉄道建設許可を与える前に同社の全世界での社会的記録を十分に調べるよう要求している。ヴァーレには社会的に無責任な行動が見られ、例えば、カナダでは3,500人のニッケル・銅山労働者が激しいストを実施しており、現在11カ月目に入っている。

「ヴァーレに関しては深刻な問題が数多くあり、同社が世界中の事業拠点で労働者や地域社会を虐待していることが分かっています」とデービッド・D・サッコーFLIWUL事務局長は書いている。

「モザンビーク、ブラジル、カナダ、ペルー、チリ、ドイツ、イタリア、ニューカレドニアの組織が、ヴァーレは『人権を侵害し、男女労働者を搾取し、危険な労働条件を押しつけ、自然を破壊し、伝統的な地域社会を軽視している』と明言しています。ヴァーレが活動しているあらゆる場所で、地域社会が解体され、環境が破壊され、労働者の権利が尊重されていないようです」

「私たちはヴァーレによるカナダの労働者の取り扱い方に不安を感じています。同社は、ここ数年何十億ドルもの利益を上げていながら労働者に大幅な譲歩を要求しており、それによってストを誘発しています」

「大統領、リベリア国民は長年に及ぶ内戦と混乱を経て、大統領の指導下で今やっと平和を享受し、有望な将来を手に入れました。この巨大企業ヴァーレは疑わしい行動を見せており、貪欲な少数者の利益のために我が国の脆弱な経済を破壊するおそれがあります。FLIWULはリベリアのインフラ・経済開発の重要なステークホルダーとして、政府に対し、状況を慎重に調べ、リベリアに投資してリベリアを通過する企業に責任を持って行動させるよう要求したいと思います」

[2010年5月17日――アニタ・ガードナー]
IMFは国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)とともに、全米鉄鋼労組(USW)と協力しながらグローバル・キャンペーンを展開し、ブラジルの大手採鉱会社ヴァーレが世界中のヴァーレ事業で労働条件を引き下げたり、労働基本権を否認したりするのを阻止しようとしている。