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パラグアイでACEPARの争議が激化

4月23日からストに入っているACEPARの労働者を組織化する組合は、同社による組合への威嚇・暴力の行使、スト中の労働者に代わる要員の不法な雇用、ウゴ・ゴンサレス・チリコの拘留を非難した。

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パラグアイ会社側が組合幹部を威嚇したため、4月23日に始まったACEPAR労働者のストライキは、パラグアイの労働者の労働組合権を守る闘いに変わった。 組合(ACEPAR労組――SITRAC)は、警備隊による暴力的な弾圧を受けてスト中の労働者が決心を固めたことを確認し、スト中の労働者に代わる要員を採用するという同社の決定を非難している。一方、政府は治安妨害の罪で労働組合指導者のウゴ・ゴンサレス・チリコ、ウゴ・カルドソ、マリアーノ・ベラスケス、ダニエル・イバロラの拘留を命じた。

「チリコ」SITRAC書記長は5月10日(月)、ビヤアエスの検察庁に呼び出されたときに逮捕された。同書記長は6時間かけて陳述したのち、司法警察によって逮捕され、裁判官による裁定を待つよう命令された。5月11日(火)、ゴンサレス・チリコは裁判所に連れて行かれ、ミゲル・タデーオ・フェルナンデス裁判官の前でさらに陳述した。裁判官は、書記長がACEPARと距離を置き、国内にとどまり、毎月裁判所に出頭することを条件に釈放を命じた。

これに対して労働者たちは、「どのような結果を招こうとも、より強く労働権を擁護して闘いを続行し、会社による労働協約の尊重、解雇された労働組合指導者4人の復職、最近の労働組合に対する迫害の中止を要求していく」と主張した。ストライキ中の労働者811人は、これまでに何回か「ACEPARの大株主が自分たちの要求に同意するまで職場に戻らない」と述べている。

争議の背景

争議の発端は、政府がACEPARを民営化し、同社の従業員が株主になった1993年にさかのぼる。1997年に何度かの会合やデモを経て、政府は同社をCOSIPAR(Consorcio Siderurgico Paraguayo)に譲渡し、セーロ・ロリト社が66.6%を、SITRACが労働者に自分たちの利益を管理・保護させられるようにするために設立された社会的企業COOTRAPARが33.3%を保有することになった。

その後、労働者から株式を取り上げようとする大株主(この会社は現在アルゼンチン系)との間で一連の争議が発生した。迫害、労働権の侵害、さらにはSITRACやCOOTRAPARの組合員に対する心理的攻撃が、このところ激しさを増している。10人を超える労働者が解雇され、110人以上が他の職場に異動させられ、5人の労働者が真偽の疑わしい軽罪を理由に無給の停職処分を受けており、年金権のある労働者が5人以上職務から解かれ、労働組合員に対する脅迫や心理的攻撃が相次いで発生している。
労働条件や安全衛生が悪化するとともに、会社側が1995年の労働協約に従っていないため、争議はさらに激化している。

[2010年5月17日――バレスカ・ソリス]
IMFは、パラグアイの金属労働者による正当かつ合法的な措置・行動を支持し、ACEPAR労働者に彼らが要請・要求するすべての連帯を提供している。