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SONASID/アルセロール・ミッタルがモロッコで労働権を侵害

SONASID/アルセロール・ミッタルの職場委員は、モロッコの現場における労働法とグローバル安全衛生協約の尊重を要求している。

モロッコIMF監視ミッションは2010年5月19日、ナドルとジョルス・ラスファーのSONASID/アルセロール・ミッタル生産拠点の職場委員と会談した。労働者代表は、モロッコの経営陣が団体交渉・代表に関する国内法の規定を絶えず侵害していることに改めて不満を表明し、経営側が建設的な対話への参加を拒否しているために労働者の間で緊張が高まっていることについて苦情を述べた。

職場委員は、アルセロール・ミッタルの進出以来、安全の文化が発展したことで安全衛生基準が大幅に改善していることを認めながらも、実に気がかりな情報にIMFの注意を促した。モロッコの経営陣は、おそらく設定された労働災害目標を達成するための努力の一環であろうが、事故を隠すために事故の犠牲者にいろいろな圧力を加えているとの報告がある。伝えられるところによると、経営側は労働者を説得して事故を報告させないようにするために、心理的な圧力を加えたり、ボーナスその他の給付や昇進の機会を与えないと言って脅したりしている。

グローバル安全衛生協約が十分に実施されていないことについても不満が表明された。協約の条項は体裁をつくろうためにのみ尊重されていることが多いように思われ、安全衛生委員会が不可欠な手段として合意した是正措置はきちんと実施されておらず、期限がどんどん延期されている。

アルセロール・ミッタルは多数株主ではないが、明らかに、SONASID経営陣がパートナーに選んだ中で断然有力な企業とみなされている。職場委員は、国際企業アルセロール・ミッタルの経営陣がモロッコのパートナーによるそのような行動に興味を示していないように思われることに、戸惑いと驚きを示した。建設的な労使関係の伝統があるにもかかわらず、ここ数年間にSONASIDで導入された管理スタイルは、国内法を甚だしく軽視しており、アルセロール・ミッタルが主張する人事哲学と矛盾している。

職場委員はIMFに対し、SONASID/アルセロール・ミッタルの現場に国際委員会の緊急実情調査団を派遣し、グローバル安全衛生協約の実施状況を監視するよう訴える自分たちの要求への支持を要請した。

2010年9月にモロッコで国際労働組合調整会議が開かれる予定であり、マグレブその他の地域の国々でアルセロール・ミッタルや現地パートナーの労働者を組織化している組合が参加する。

[2010年5月25日――カーラ・コレッティ]