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グローバル・ユニオンが人材派遣に関する原則を発表

グローバル・ユニオンは人材派遣に関する一連の原則を発表した。その目的は、派遣労働者の搾取・虐待や、人材派遣会社の悪用に起因する正規雇用関係の破綻に取り組むことである。

全世界ここ数十年間に、労働者を供給する派遣会社の利用が世界中で激増しており、これまで直接雇用労働者に頼っていた部門や職種にも広がっている。派遣労働者は一般的に賃金・給付が少ないだけでなく、金融危機がたちまち雇用危機に転じると真っ先に犠牲になった。

世界銀行、国際通貨基金、OECDのような国際組織は、派遣労働をはじめとする各種の臨時的な不安定雇用の拡大を「労働市場の柔軟性」として促進している。派遣労働が一因で、労働者は全般として組合加入権や団体交渉権を行使しにくくなっており、この状況は労働運動に大きな課題を突きつけている。

人材派遣に対処するために労働組合が採用する方法は国や部門によってさまざまであり、全面禁止から部分禁止、厳しい規制まで多岐にわたっているが、すべてのグローバル・ユニオンが、いくつかの主要原則について合意に達した。例えば以下のような原則である。

●雇用の主要な形態は、無期限の常用・直接雇用であるべきである。
●派遣労働者は、派遣先企業の他の労働者と同じ労働協約の適用を受け、あらゆる点で均等待遇を受けるべきである。
●派遣会社の利用によって、賃金や社会的保護、労働条件に関する男女差が広がってはならない。
●常用・直接雇用関係を排除するために人材派遣会社を利用してはならない。
●労働組合を弱体化させたり、組織化や団体交渉権を阻止したりするために派遣労働者を利用してはならない。

「人材派遣会社に関するグローバル・ユニオン原則」全文: 
http://www.icem.org/en/73-Contract-and-Agency-Labour/3861-Global-Union-Principles-on-Temporary-Work-Agencies
声明全文はグローバル・ユニオンのウェブサイトに掲載されている。

[2010年6月15日――アレックス・イワーノウ]