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ラギー国連特別代表、不安定労働が人権に及ぼす影響についてILOに助言を要請

IMFとIUFが提出した文書に対応して、ビジネスと人権に関する国連特別代表は、不安定労働が人権に及ぼす影響をより深く理解するためにILOの援助を求めた。

ジュネーブ6月3日にジュネーブで開かれた国際労働総会で、ILO多国籍企業小委員会が組織したサイド・イベントの際、ビジネスと人権に関する国連特別代表ジョン・ラギーが、多国籍企業による人権侵害を抑えるための自身の「保護・尊重・是正」枠組みのILOにとっての意味合いについて議論した。ラギーは200人を超える政労使代表とILOスタッフを前に、「不安定労働の問題はステークホルダーとの協議で、また労働者組織による提出物でも提起された」と述べ、IMFとIUFが提出した文書に触れた。しかし特別代表は、「私にはこの問題に取り組むための専門知識がない」と述べ、どのように取りかかればよいかについてILOに助言を求めた。

ラギーの発言に対して使用者側スポークスパーソンが、不安定労働は人権問題ではなく、ラギーは自身の仕事で不安定労働を考慮すべきではない、と明言した。英国TUCのサム・ガーニーが労働者を代表して発言し、ラギーが人権に対する不安定労働の悪影響を考慮することがいかに重要であるかを強調し、「労働組合はこの作業において援助する用意がある」と述べた。またガーニーは、サプライチェーンがますます複雑かつ不透明になっている中で、誰に救済を求めるかを確認するのが難しいため、労働者が実質的に救済を得られなくなっていることも説明した。

IMFはしばらく前から、他のグローバル・ユニオン・フェデレーションとともにILOに対し、不安定労働者が効果的な団結権・団体交渉権を否認されている多くの状況に取り組むために、具体的な行動を取るよう強く要請している。ジョン・ラギーが「多国籍企業の人権尊重責任との関連で不安定労働を調べる」と約束したことは、積極的な一歩である。これにより、ILOが不安定労働者の権利保護により多くの注意と資源を振り向けるよう求める声も強まっている。


[2010年6月4日――ジェニー・ホールドクロフト]