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UAW大会で新会長がトヨタ新工場の組織化を要求

UAW大会は、厳しい時期に直面して悲喜こもごものメッセージで始まった。新たに選出されたボブ・キング会長は受諾演説の中でトヨタを非難し、賃金を低く抑えることができる未組織工場に雇用を移していると指摘した。

アメリカ月曜日にデトロイトで始まったUAW大会は、悲喜こもごものメッセージで幕を開けた。ほとんどの組合員が自動車メーカーで働いているため、金融危機はUAWに打撃を与え、組合員数が1970年代の150万人から2009年には35万5,000人に落ち込んだ。同労組は工場閉鎖、雇用喪失、地域社会衰退の影響を受けているが、「この4日間の大会でUAWは活気を取り戻し、団結するだろう」という期待が感じられた。

トヨタがミシシッピ工場の建設再開を発表したことは一見したところ朗報であるように思われ、同社は来年末までに2,000人の労働者を雇ってカローラ・セダンの生産を開始すると約束した。しかし、UAWはこの決定を厳しく批判し、「トヨタは組合のある工場から未組織工場に生産を移転している」と非難した。

新たに選出されたボブ・キングUAW会長は、「トヨタをはじめとする外国自動車メーカーの米国工場で、未組織労働者を組織化するための努力を強化する」と誓約した。キングは大会の受諾演説でトヨタを非難し、賃金を低く抑えることができる未組織工場に雇用を移していると指摘した。また、この措置は米国内の他のトヨタ工場で働く労働者を威嚇しようとするものだ、とも述べた。「それらの労働者がUAWに加入する米憲法修正第1条で保障された権利をトヨタが承認するまで、同社に強く圧力をかけていく」と、キングはデトロイトでのUAW全国大会で述べた。キングは、トヨタ販売店で横断幕キャンペーンを実施し、トヨタが人よりも利益を優先していることを顧客に伝える、と誓約した。

1998年からUAW副会長を務めてきたボブ・キングは、社会的公正の問題や効果的な組織化を支援してきたことで有名なベテラン労働組合指導者であり、2期8年にわたって会長を務め、困難な時期にUAWを主導したのち退任したロン・ゲッテルフィンガーの後任として、会長に指名された。ボブ・キングは総立ちの喝采を受け、代議員は歓声やラッパで支持を表明した。

ユルキ・ライナIMF書記長はUAW大会でのスピーチを利用して、IMFのグローバルな活動にUAWを再び関与させようとした。「同志の皆さん、連帯は相互的関係だ。世界の金属労働者は、労働者の組合加入権を確保するためのUAWの闘いを全面的に支援する。私たち全員が、米国議会における従業員自由選択法の採択を求めるUAWの要求を支援する」とユルキは述べた。代議員は、労働者の国際連帯を支持する決議の承認によって、労働者間の地球的な結束に関する書記長のメッセージを補強した。

[2010年6月17日――チェリッセ・フレドリクス]