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労働における権利を求める闘いでイタリアのフィアット労働者が解雇

フィアットによる労働者4人の不当解雇に抗議して、ストが実施された。この労働者たちは、「労働側が条件・権利に関して譲歩した場合に限り生産に投資する」という脅しを含む会社側の提案に対抗して闘ったために解雇された。

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イタリアイタリアのフィアット・グループで7月16日、4人の労働者の不当解雇に抗議して、IMF加盟組織FIOM-CGILが4時間のストを組織した。 トリノのミラフィオリ工場で、1人の若い専門職ホワイトカラー労働者が解雇された。解雇の理由は、ナポリ・ポミリアノダルコのフィアット工場における労働者の闘いとの連帯を表明する、ポーランド・ティヒの労働者の書簡を社内Eメールで回覧したことだった。 メルフィでは、フィアット・グループCEOのセルジオ・マルシオーネが、労働者たちが労働強化に反対してストを実施し、工場の作業を妨害したという理由で、代議員2人とFIOM組合員を解雇した。 FIOM-CGILは解雇に抗議して、7月16日にフィアット・グループ全体で4時間のストライキを要求し、一連の解雇をめぐって法廷で争うと発表した。 これらの労働者の行動と後続のストが実施された時期、フィアットは、ポミリアノダルコ工場に7億ユーロを投資してベストセラー車であるパンダの生産拠点をポーランドのティヒからポミリアノに移転することと引き換えに、労働者に大幅な譲歩を要求していた。 ポミリアノ工場は5,000人の労働者を雇用しており、昨年は3万5,000台を生産、イタリアのフィアット工場の中で五指に入る施設であり、同社のアルファロメオ・ブランド向けにモデルを生産している。 イタリアの組合は会社側の提案への対応で意見が分かれ、4組合は同意したが、最大の金属労組であるFIOM-CGILは署名を拒み、この提案を「脅迫」と非難している。FIOM-CGILによると、欠勤とスト参加に対する制裁案を含むフィアットの要求は、現行労働協約に違反しており、違憲である。 イタリアで民間部門最大の使用者であるフィアットは、労働者が提案を受け入れなければ、不況にあえぐ南部地域のナポリ近郊にあるポミリアノダルコ工場を閉鎖する、と言って威嚇した。 6月22日にポミリアノ工場で労働者による投票が行われたが、「週6日労働によって生産性を高め、ストライキを制限して病気欠勤日などの現行給付を削減する」というフィアットの案を支持したのは、投票者4,642人の62%にとどまった。 マウリジオ・ランディーニFIOM-CGIL書記長は4人の労働者の解雇に触れ、次のように明言した。「フィアットは、ポミリアノ工場労働者に憲法上の権利であるスト権の制限を含む条件の受け入れを強制するなど、労働者に譲歩を強要するだけでなく、報復・脅迫行為まで犯している」

[2010年7月20日――アニタ・ガードナー]