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コーラス・スチールの金属労働者が賃上げを確保

イギリスの金属労働者がタタ傘下のコーラス・スチールで賃上げを達成した。

イギリスユナイト・ザ・ユニオンをはじめとするイギリスの組合と、インドのタタ・グループが所有する製鋼会社コーラスとの間で先週、充実した賃金一括提案が取り決められた。去る5月、イギリスの鉄鋼労働者1万2,000人を対象に始まった交渉で、ユナイトが「ブレイクスルー」と表現する大きな進展があり、労使は4月1日にさかのぼって賃金を3.2%引き上げる2010年の協約に合意した。

200ポンドの一時金も含むこの暫定合意は、これからユナイト組合員8,000人の投票に付され、結果は9月前半に明らかになる予定である。コーラスの労働者を代表するイギリスのその他2組合、GMBとコミュニティーも同じ協約を受け入れ、交渉指導者に協約を批准する権限を与えた。

2010〜2011年の労働協約は、15カ所のコーラス現場で働く鉄鋼労働者を対象としている。

6月にコーラスが提案した賃上げ率は1〜2%だった。先週、困難な交渉が山場を迎え、3団体すべての労働組合指導者が満足する成果が達成された。というのも特に昨年は、この鉄鋼メーカーが景気後退を切り抜けられるよう援助するために、労働側が10億ポンドの経費削減の一環として賃金凍結に同意した経緯があったからである。

「コーラスが提案したこの新協約は、労使間の信頼を再構築するのにいくらか助けになる」とユナイト全国鉄鋼担当役員のテリー・パイは述べた。「変更後の賃上げ提案に関する組合員投票の結果がどうなるにせよ、私たちは会社側が賃上げ提案を大幅に改善したことに満足しており、組合員に承認を勧めている」

GMB全国書記キース・ヘイズルウッドはこう述べた。「昨年の賃金凍結と混乱を極めた18カ月間を経て、最悪の時期を切り抜け、組合員と地域鉄鋼界の確かな未来を目指して前進する基礎ができたと考えればいいだろう」

インドのタタ・グループは2006年に120億米ドルで英蘭系コーラスを買収した。イギリスの組合は依然、2月にイングランド北東部で一部閉鎖されたコーラス工場が新しい所有者のもとで再開することを期待している。組合幹部は全国・地方役員とともに、このティーズサイド・キャスト・プロダクツ工場を稼働させるためにタイのサハビリヤ・スチール・インダストリーズと交渉している。

[2010年8月9日――アニタ・ガードナー]