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ブラジルでテレビ・チャンネル民主化

CNM-CUT加盟組織のABC金属労組は、「労働者の視点に立ったテレビ」をスローガンにブラジルで新しい労働者専門チャンネルを開設し、社会問題をめぐって公開討論を行う新たな民主的スペースを生み出した。

ブラジルCNM-CUT加盟組織のABC金属労組は2010年8月23日、「TV dos Trabalhadores」(TVT――http://www.tvt.org.br/)という労働者のための労働者によるテレビ局を開設し、ブラジル・サンパウロの有名な工業地帯サンベルナルド・ド・カンポから開局記念放送が行われた。

開局式ではルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領が挨拶し、「TVTの発足は最近のブラジルで五指に入る重要かつシンボリックな出来事だ」と述べた。

TVTは当初、毎日1時間半のニュース番組を他のコンテンツとともに放送し、いずれはABC金属労組のウェブ・テレビ(http://www.smabc.org.br)でも同時放送される。加えて、このテレビ・チャンネルの新聞やラジオ、CUTウェブサイトでもTVTに関する内容を取り上げ、視聴者が参加してコメントやフィードバックを提供する場を設ける。

このチャンネルを運営している非営利組織、コミュニケーション・文化・労働社会財団は2009年10月、国内1,200万世帯向けに放送する許可を得た。ブラジルの労働者が初めてテレビ・チャンネル開設許可を求めてから、23年の歳月が流れていた。

TVTは開局後3年間に1,500万レアルの当初予算で、19時から20時30分までのニュース番組をはじめ、さまざまな番組を放送する。TVTはサンパウロ(UHF 48)とリオデジャネイロ(UHF 26)を対象としており、この2地域の大都市圏での受信を保証する。

「私たちは単なる代替手段ではなく、従来のテレビでは紹介されない実情を伝えるコミュニケーション・プロジェクトを求めている」と、IMF加盟組織CNM-CUTの国際局長を務め、このプロジェクトに責任を負う財団の会長でもあるバルター・サンチェスは述べた。

ユルキ・ライナIMF書記長はTVTを歓迎するビデオ・メッセージで、ブラジル金属労働運動の強化に役立つこの重要なイニシアティブについてブラジルの労働者を祝福した。

[2010年8月24日――アニタ・ガードナー]