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IGメタル、鉄鋼労働者の3.6%賃上げを確保

ドイツのIMF加盟組織IGメタルは鉄鋼部門の使用者との交渉を経て、組合員に対し、3.6%の賃上げと契約労働者の同一賃金を定める新しい協約の承認を勧めた。この協約は、同労組が3日間の警告ストを実行したのち、9月29日に締結された。

ドイツ9月29日、IGメタルと鉄鋼部門の使用者との交渉結果として、ノルトライン・ウェストファーレン、ニーダーザクセンおよびブレーメンの鉄鋼労働者8万5,000人を対象に、10月1日からの13カ月間で賃金を3.6%引き上げ、契約労働者と常用労働者との平等を確保し、9月に一時金を支給するという取り決めが発表された。

交渉開始直前、700人の鉄鋼労働者がデュッセルドルフへ行き、交渉が実施されていたホテルの前で創意に富んだ集会を開いて要求を明確に打ち出した。

ドイツが戦後最も厳しい景気後退に陥って雇用の先行き不安が高まっている状況を反映して、ここしばらく賃金要求が抑えられてきたが、このところ回復の兆しが見られることから組合は増額を要求し、鉄鋼労働者が運動の先頭に立っている。

ベオトルト・フーバーIGメタル会長兼IMF会長が、ドイツ北西部の鉄鋼業における団体交渉の成果を肯定的に評価した。「この成果は公正かつ公平だ」と同会長は述べた。

協約の対象となる主な企業は、ティッセンクルップ、ザルツギッター、アルセロール・ミッタルである。協約の内容は以下のとおり。

報酬の増額:賃金・給料が2010年10月1日からの13カ月間で3.6%増額される。すべての労働者が2010年9月に150ユーロの一時金を受け取る。見習工の給与が今から2011年10月31日までに40ユーロ引き上げられる。

公正な雇用:すべての鉄鋼会社の契約労働者が2011年1月1日から2年間、正社員と同じ報酬を受け取る。派遣会社が労働者に同水準の報酬を支払わない場合は、当該製鉄会社が支払責任を負う。

IGメタルは、この協約を承認するよう組合員に勧めている。組合員は2010年10月12日に協約を検討する予定。

[2010年9月30日――バルター・ビッテンコート]