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チリの鉱山労働者、69日ぶりに救出

世界中の人々がチリの鉱山労働者33人の救出を祝福する中で、IMFはチリにILO鉱山安全条約第176号の批准を要求し、失業中の鉱山労働者365人(救出された33人を含む)の今後について懸念を表明した。

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チリ地下に閉じ込められていたチリの鉱山労働者33人全員が10月13日、救助活動によって狭い避難用立坑から引き上げられ、2カ月に及ぶ地中深くでの試練が終わった。鉱山労働者は1人ずつ、肩幅ほどの特別設計スチール製カプセルに乗り込み、15分で625メートルの岩場を通り抜けて地表に到着した。

鉱山労働者たちは崩落した鉱山の奥深く、高温多湿の地下で69日間を過ごし、最初の17日間は全員が死亡したと考えられていた。労働者たちは直ちに健康診断を受け、「何の問題もない」健康状態であることが確認された。ただ、1人は肺炎の治療を受けており、珪肺症にかかっていると見られる。

サンホセ鉱山の感激の場面は、鉱山安全問題に世界中の注意を引きつけた。チリは主な国際鉱山安全基準に調印しておらず、昨年は50人近い鉱山労働者が事故で亡くなった。同国は、世界の鉱山労働者に占める割合はわずか1%だが、死亡事故に占める割合は8%に達している。

ホルヘ・アルメイダIMFラテンアメリカ・カリブ海地域代表は9月最終週、チリのIMF加盟組織の支援を受けて計画された公式訪問のためにコピアポへ行った。

アルメイダは、「労働者33人の親密な関係が、最終的な救出まで生き延びるうえで不可欠だった」と述べ、チリ政府に対し、事故原因の適切な調査、責任者の確認、再発防止措置の導入を要求した。

このIMFミッションの間にアルメイダは、閉じ込められた鉱山労働者の家族が朗報を待つキャンプを訪問した。「労働者や閉じ込められた鉱山労働者の親族と話す機会があった。私はユルキ・ライナIMF書記長からの連帯メッセージと速やかな救出への期待を伝えた」とアルメイダは述べた。

鉱山労働者の救出が成功したあともなお、IMFは鉱山労働者365人(救助された33人を含む)の再就職について懸念している。今、これらの労働者全員が職を失い、この鉱山の今後はまだ明らかではない。

「私は政府に対し、労働者の話に耳を傾け、労働者および労働者組織とともに事故防止に取り組む必要があることも指摘した。チリが鉱山の安全に関する国際労働機関条約第176号に署名し、同条約を批准することが不可欠だ」とアルメイダは、IMFが支援する国際化学エネルギー鉱山一般労連の鉱山安全キャンペーンに触れながら述べた。

[2010年10月15日――バルター・ビッテンコート]