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質の高い公共サービスへの投資――緊縮財政に代わる最善の方策

グローバル・ユニオンは、10月12〜14日に開催された「質の高い公共サービス――今こそ行動を!」会議で、質の高い公共サービスを促進するための大規模なグローバル・キャンペーンを開始した。

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スイス広範囲に及ぶ公共サービス削減に直面して、官民両部門の労働組合、地方自治体および市民社会グループの指導者が、経済危機の重要な解決策として、また平和的・民主的かつ公平で生態学的に持続可能な社会を構築する最善の方法として、公正な課税政策に裏打ちされた質の高い公共サービスへの投資を促進するために一致協力するという、前例のない共同コミットメントを表明した。

「私たちの責任、私たちの未来」が、10月12〜14日にスイスのジュネーブで開催された国際会議「質の高い公共サービス――今こそ行動を!」の参加者の結論だった。400人の代議員が出席した3日間の会議を後援したグローバル・ユニオン協議会(CGU)は、質の高い公共サービスを促進する地方・全国・国際レベルの努力を結びつける憲章・行動計画を指針とする、大規模なグローバル・キャンペーンの開始を発表した。CGUは1億7,600万人以上の労働者を代表している。

アイダン・ホワイトCGU議長は次のように述べた。「これは労働組合運動に対し、幅広い社会連合で活動し、全市民の生活の質を改善する社会改革の原動力になるという歴史的な責任の推進を要求する行動だ。時間を無駄にしている余裕はない」

グリーンピース・インターナショナル事務局長でグローバルな貧困根絶運動の委員を務めるクミ・ナイドゥーが、社会的公正政策の基礎たる質の高い公共サービスの要求を支持する「新行動主義」を求めた。

「歴史を見れば分かるように、まともな人々が必要に応じてリスクを負い、平和的・主体的かつ勇敢に闘いに加わって市民的不服従を実施すれば、権力者――政府当局者であれ金融関係者であれ――は耳を傾けて対応する」と同氏は述べた。

スーザン・ホップグッド教育インターナショナル会長がこう述べた。「私たちは力強いメッセージを伝えており、強力な学校、適正な医療サービスや社会サービス、汚染されていない水や適切な衛生設備、効果的な防火・警備サービス、手ごろな価格の住宅・公益施設、利用しやすい通信・輸送、公共のメディアや文化、充実した行政・自治体サービスの提言者として団結している。質の高い公共サービスは、持続可能な成長や公平な富の再分配の基礎となり、公正や良い統治、民主主義の行使の手段となる」

デビッド・コックロフト国際運輸労連書記長が、新しいキャンペーンは選ばれた都市で「グローバル組合運動の産業・政治レベルの力を結集する拠点」としてスタートし、このキャンペーンが必要とされるのは「公共サービスは官民両部門の労働者とその家族、地域社会に利益を与えるからだ」と述べた。
ピーター・ウォルドフ国際公務労連書記長が、「このキャンペーンは、政府が労働協約に違反していながら何の罰も受けず、公共サービスや給付を削減している中で、労働組合と同盟者が、より持続可能な世界を築いて万人のために社会的保護を確保する新しい戦略を実施していることを示すだろう」と述べた。「今こそ行動を起こすときだ!」
「質の高い公共サービス――今こそ行動を!」会議の演説・要約については下記サイトを参照:www.qpsconference.org

[2010年10月15日――アニタ・ガードナー]