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スイスの金属部門労働者が利益の分配を要求

金属部門における景気の好転を踏まえて、UNIA(スイスのIMF加盟組織)会議に出席した代議員は、2〜3%の賃上げと臨時労働制限の要求を承認した。

スイス今年初めから、スイスでは機械・電機・金属部門の状況が大幅に改善し、国内の注文が17%、国外からの注文が15%増えている。

さらに、スイスの使用者団体SWISSMEMは、下半期も引き続き売り上げが伸びると予想している。先ごろベルンで開催されたUNIA会議で150人の代議員は、間もなく企業レベルで始まる交渉に備えて2〜3%の賃上げ要求を承認した。スイスの金属部門は30万人以上の労働者を雇用している。

会議の終わりに、議長を務めたUNIA執行委員のファビエンヌ・キューンが次のように述べた。「危機の前、金属部門の賃金は多額の利益に見合っていなかった。そして危機が襲ってきたとき、労働者は真っ先に影響を受けた。今、成長率が上向いているのだから、この新たな状況を賃金に反映させ、労働者の努力に報酬を与えるべきときだ」

代議員は臨時労働に関する決議も採択した。スイスでは、臨時労働は若干減少したあと再び増加傾向にある。「企業は労働者を実質的に常勤ベースで働かせていながら、労働者の20%以上を臨時契約で雇用している場合もあり、このような状況は容認できない。これらの使用者は、労働市場における不安定労働の増加を大いに助長し、部門の労働協約を無視している。会議の決議は使用者に以下のとおり要求した。

●6カ月間雇用すれば、臨時労働者の契約を変更して常用雇用すべきである。
●使用者は労働協約の条項を無視してはならない。
●現行の地域・部門賃金水準(疾病手当や休日賃金を含む)を臨時労働者にも適用すべきである。
●労働協約に臨時労働者の義務的な最低賃率を盛り込むべきである。

[2010年10月12日――アンヌ=マリー・ミューロー]