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USスチールを差別で提訴

雇用機会均等委員会は、試用従業員に無作為アルコール濃度検査を義務づけ、検査結果を見て解雇するという差別的な方針を理由に、USスチールを提訴した。

アメリカ米雇用機会均等委員会(EEOC)は2010年10月5日発行のプレスリリースで、USスチールを米連邦法違反で提訴する旨発表した。プレスリリースによると、USスチールは無作為アルコール濃度検査を行うという全国的な方針を適用し、検査結果に基づいて数人の従業員を解雇した。

ペンシルベニア州クレアトンのUSスチール現場で雇用されるアビゲイル・デシモーンは、試用期間中に合理的な根拠なしに職場で呼気アルコール濃度検査を受けるよう強制された。

偽陽性の検査結果が出たあと、デシモーンは麻薬・アルコールに関する内規に違反したとみなされ、契約を打ち切られた。そのときの健康状態によって陽性の検査結果が出る場合があることを説明し、再検査を提案したが、受け入れられなかった。同じ日にデシモーンの要請でかかりつけの医師が血中アルコール濃度検査を別途実施し、血中にアルコールが存在しないことが明らかになったが、会社側はその結果も無視した。

EEOCはプレスリリースで、「USスチールはアメリカ障害者法(ADA)違反の不法な検査の結果、デシモーンを解雇した」と明言している。

「EEOCの主張によると、USスチールは少なくとも2006年以降、クレアトン工場をはじめ全国の施設で実施される基本労働協約の中で、『試用従業員に無作為アルコール濃度検査を受けさせ、会社は検査実施の合理的根拠を示さなくてもよい』という方針を定めているが、これはADAに違反している」とEEOCプレスリリースは述べている。

プレスリリース全文はEEOCウェブサイトで入手可能。

ピッツバーグに本社を置くUSスチールは、全世界で4万2,000人以上の労働者を雇用している。

[2010年10月8日――アレックス・イワーノウ]