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チェンナイのBYDエレクトロニクスで大量解雇

ノキアのサプライヤーでインドのチェンナイを拠点とするBYDエレクトロニクスは11月1日、労働者を大量解雇し、残った437人に雇用継続のために謝罪文に署名するよう命令し、組合承認と労働条件改善を求める労働者の行動に対応して不法なロックアウトを発表した。IMFはレイバースタートとともにタミル・ナードゥ州政府に対し、これらの労働者の権利を尊重させるよう要求している。

インドチェンナイ近郊オラガダムの経済特区に立地するノキアのサプライヤー、BYDエレクトロニクスは11月1日、契約労働者2,500人の雇用を打ち切り、常用労働者37人を解雇して23人を停職処分にし、残った437人に雇用継続のために謝罪文への署名を命じ、不法なロックアウトを発表した。

劣悪な労働条件で働かされている労働者に対して経営側が取ったこの甚だしい不当行為は、労働者が組合承認と労働条件改善を要求したことに対抗する措置である。この措置に先立って抗議行動が実施され、10月28〜30日に同工場で3,000人を超える労働者が要求を掲げて3日間の座り込みストを実施した。

IMFはレイバースタートのキャンペーンを支援し、この件とチェンナイの近隣ノキア経済特区に立地するフォックスコン・インドで続いている別の似たような争議に関して、インド政府当局に抗議のメールを送るよう呼びかけている。

BYDエレクトロニクスとフォックスコンの労働者を支援してインド当局に抗議のメールを送るには、下記のレイバースタート・キャンペーン・ページまで: http://www.labourstart.org/cgi-bin/solidarityforever/show_campaign.cgi?c=814

BYDエレクトロニクスの労働者は雇用不安と低賃金に抗議し、10月9日、インド労働組合センター(CITU)の助けを借りて組合結成会合を開いた。これを受けて経営側は約100人の労働者のレイオフを計画。10月21日、労働者は24時間の座り込みストを行い、経営側に労働事務所副委員と協議させた。経営側が「直接雇用労働者に関してのみ協議し、契約労働者の問題は取り上げない」と主張したため、協議は10月27日に決裂する。

この争議の間に経営側が激しく脅迫・威嚇した結果、組合のビラを配った1人の労働者が10月27日、経営側による厳しい尋問のあとイソプロピル・アルコールを飲んで自殺を図った。別の事件では、契約労働者が派遣会社によって辞表への署名を強要され、拒否したところ、制服を脱がされて身分証明書を取り上げられ、工場から強制的に追い出された。派遣会社は労働者たちの自宅にまで押しかけ、「息子あるいは娘が組合活動を続ければ解雇し、警察に訴える」と言って両親を脅した。

BYDエレクトロニクスは、ノキア・インド・プライベート・リミテッドに携帯電話部品を供給する主要企業の1つであり、約3,000人の労働者を雇用している。そのうち850人が工場に直接雇用され、残りは人材派遣会社を通して雇用される契約労働者である。これらの契約労働者は何の補償もなく随意にレイオフされる。労働者は毎日、監督者に電話して出勤するかどうか確認しなければならない。労働者全員が、超過労働手当なしで午前8時から午後8時まで1日12時間働かなければならない。経験4年の労働者の賃金は、わずか5,400ルピー(121米ドル)である。

組合の主な要求は以下のとおり。

●労働者が選んだ労働組合の承認
●同社で260日間にわたって働いた契約労働者の正規雇用化
●自殺未遂から回復しつつある労働者への補償・有給休暇と解雇された契約労働者の復職
●すべての労働者の制服統一(現在、各区分の労働者ごとに6色に分けられている)
●1日8時間労働
●以下の基本給:
 ●経験1年8,000ルピー(180米ドル)
 ●経験2年1万ルピー(225米ドル)
 ●経験3年1万2,000ルピー(270米ドル)
 ●経験4年1万5,000ルピー(337米ドル)
●工場における医療施設の改善
●3カ月の有給出産休暇

BYDエレクトロニクスとフォックスコンの労働者を支援してインド当局に抗議のメールを送るには、レイバースタート・キャンペーンまで。

[2010年11月2日――アニタ・ガードナー]