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南アフリカでNUMSAがBHPビリトンと争議

3カ月にわたって交渉が停止している状況下で、NUMSAはBHPビリトンに賃金・労働条件の改善を要求し、スト実施を警告している。

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南アフリカBHPビリトンで労働者の過半数を代表する南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は、賃上げと労働条件改善をめぐる長引いた交渉が2010年8月に行き詰まったあと、争議の継続を発表した。

2010年8月30日に2カ年協約が失効したため、2010年4月に始まった交渉で1年協約が締結されることになっている。交渉が行き詰まったあと、BHPビリトンは労働者に、別の組合「連帯」と妥結した賃上げ率7.5%の受け入れを強要するという行動に出た。

BHPビリトンの賃上げと労働条件改善に関するNUMSAの要求は、同労組の全国交渉会議(NBC)に従っている。NBCは、人種間の収入格差や最低賃金労働者と上級管理者との格差拡大に見られる、産業労働者の苦境・苦痛の悪化傾向を食い止めようと努力している。

BHPビリトン経営幹部は明らかに、労働者を旧態依然の人種差別的雇用条件に縛りつけておくために、差別的な低賃金を引き続き維持・再現しようと躍起になっている。

NUMSAの要求は以下のとおり。

●12%の全面的な賃上げ
●医療扶助制度への50%の雇用主負担
●12%のシフト手当
●5万ランド(7,165米ドル)の特別手当
●解雇時の5万ランド(7,165米ドル)の訓練支援
●人材斡旋会社の全面禁止
●6カ月の有給出産休暇
●専従安全衛生職場委員

「BHPビリトンは労働者によるこれらの要求に応じることができる、と私たちは確信している。同社はリオ・ティントとポタシュ・コーポレーションの敵対的買収を仕掛けているからだ」とイルヴィン・ジムNUMSA書記長は述べた。「これは明らかに、BHPに労働者の要求を満たす資金力があることを示している」と彼は付け加えた。

同労組は交渉に応じる姿勢を保っているが、BHPビリトンが組合要求を検討しなければ広範囲のストを実施すると警告している。

[2010年12月2日――アニタ・ガードナー]