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ヴァーレで労使が合意

全米鉄鋼労組はカナダで18カ月に及ぶ厳しい闘いに勝利を収めた。カナダ・ラブラドルのボイジーズベイ・ニッケル鉱山の組織労働者は、ブラジル系巨大多国籍企業ヴァーレとの暫定的な5カ年協約を賛成88%で承認した。

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カナダ 2011年1月31日、カナダ・ラブラドルのボイジーズベイ・ニッケル鉱山で、IMF加盟組織の全米鉄鋼労組(USW)に加入する労働者が新しい5カ年労働協約を承認し、ブラジル系多国籍採掘会社ヴァーレで18カ月に及んだ厳しいストが終結した。

USW第9508支部の組合員は、組合交渉チームとヴァーレ代表が取り決めた仮協約を賛成88%で支持した。ここ数日間にいくつかの地域で投票が実施され、2月1日に投票結果が発表された。

協約承認により、激しいストが終結した。ストの原因は、ヴァーレが2006年にカナダ系インコの鉱業資産すべてを買収し、ラブラドルのボイジーズベイとグースベイ、それにオンタリオ州の鉄鋼労働者3,500人の生活・雇用条件を引き下げようとしたことである。

このカナダ東部の協約は、特別地方産業調査委員会がヴァーレに強い圧力をかけたおかげで締結された。その独自調査は1月上旬、ストを終結させる解決策を勧告した。

会社側はスト破りの代替労働者を雇って、ニッケル・銅・コバルトの採掘・加工事業を続けている。1月22日、ボイジーズベイの貯蔵池から汚水が漏れたが、8時間にわたって気づかれないまま放置され、現地の加工工場が5日近く生産を停止する結果となった。その閉鎖の最終日、ヴァーレ経営陣が第9508支部の交渉委員会に交渉を呼びかけ、仲裁者であるビル・ウェルズの助力を受けて労使が妥協策を取り決めた。

新しい協約は2011年2月1日に効力を生じ、2016年1月に失効する。復職手続きも採択され、スト中の労働者全員が遅くとも7週間以内に職場に呼び戻される。復職する労働者は直ちに2,000カナダ・ドルの残留特別手当を受け取り、7日間の作業指導・訓練を終了したのち、さらに同額のボーナスを支給される。

USW第9508支部は十分な賃上げを達成し、生活費手当の増額を確保し、満足のいく外注慣行関連規定を勝ち取った。生産手当、いわゆるニッケル・ボーナスについては妥協した。まだ阻止できる可能性はあるが、ヴァーレが要求した事項がいくつか協約に盛り込まれ、例えば、現場への投資や全体的な経営効率の改善から得られる利益は原則として労働者に与えられない。

組合側が要求した外注関連規定が改善され、ヴァーレは常勤従業員を削減するために外部請負業者を利用することができなくなった。協約の詳細についてはUSWウェブサイトを参照。

ジュネーブを拠点とするグローバル・ユニオン・フェデレーションであるIMFと国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)は、ニューファンドランド/ラブラドルとオンタリオで長期に及んだヴァーレの争議においてカナダの鉄鋼労働者を支援してきた。両組織は、第9508支部の組合員が回復力を発揮したこと、カナダのUSW第6地区が極めて敵対的な鉱山会社との対決において労働者代表の模範を示したことを祝福している。

[2011年2月2日――アレックス・イワーノウ]