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現代に不安定労働者の直接雇用を求める命令

韓国の裁判所でまた組合側に有利な判決が下され、KMWUは現代に下請労働者全員の直接雇用を要求している。

韓国韓国でまた労働者が大きな法的勝利を収めた。ソウル高等裁判所が、2003年から2005年まで蔚山製造工場で雇用されていたチェ・ビョンソン(35歳)を現代の直接従業員と判断したのである。

2月10日の評決で高等裁判所は、チェは現代の主張と違って下請労働者ではなく、派遣労働者であり、「コンベアベルトで正規労働者と並んで一緒に職務を遂行し、現代自動車が仕事量や作業方法、手順などを決定していた」と述べた。

この高裁判決は昨年7月の最高裁判所の判決に従っている。最高裁判決は「現代自動車は、2年を超えて違法に派遣されていたチェを正規雇用労働者とみなさなければならない」という内容だった。

高裁判決を受けて、韓国金属労組(KMWU)とその地方支部である現代非正規職労組の指導者がソウルの現代本社前で記者会見を開き、この世界第5位の自動車メーカーに対し、今回の判決を下請労働者全員の直接雇用を求める警告と受け止めるよう要求した。

しかし現代自動車は、高裁判決をそのように理解する意思はないと断言した。同社の主張によると、この判決はチェ個人にのみ関するものであるため、他の下請業者から派遣された労働者に集団的に適用することはできない。

現代自動車は、「昨日のチェ事件に関する判決についても、再び最高裁判所に上訴して派遣関連法に関する憲法上の解釈を明確にし、社内下請けは労働者の派遣とは関係がないという判決を勝ち取るために引き続き努力する」と述べた。

現代蔚山工場のKMWU組合員は昨年11月と12月に25日間の座りこみストを実施し、判決に従って不安定労働者を直接雇用するよう要求した。KMWU傘下の現代非正規職労組の会長は、ストその他の要求に関連する刑事・民事訴訟の取り下げをめぐる交渉が進展していないため、今なお警察に指名手配されており、2011年2月9日、ある寺院に保護を求めた。一方、ストを主導して銀行口座を凍結された不安定労働者たちは、いまだに自分の貯金を引き出せない状況にある。

[2011年2月17日――アニタ・ガードナー]