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欧州議会でメキシコの労働権侵害めぐり議論

EMFとIMFの代表は、欧州議会議員でEU・メキシコ合同議会委員会代表団の団長を務めるコルテス・ラストラと会談し、メキシコの労働権改善への支援を求めた。

メキシコ2011年3月2日、欧州金属労連(EMF)とIMFの代表団がブリュッセルの欧州議会にて、欧州議会議員でEU・メキシコ合同議会委員会代表団の団長を務めるコルテス・ラストラ氏と会談した。EMFとIMFは、メキシコの労働権侵害に関する進行中のグローバル・キャンペーンとの関連で、ラストラ氏との会談を求めていた。

EU・メキシコ委員会は、欧州連合とメキシコ政府との貿易政策や政治対話、協力に焦点を合わせている。同委員会は年2回、メキシコとブリュッセルで1回ずつ会合を開く。

フェルナンド・ロペスIMF書記次長が、キャンペーンと世界中の活動について説明し、4つの要求を提示した。

1. 使用者と政府当局者に、鉱山労働者65人が死亡した2006年2月19日のパスタ・デ・コンチョス鉱山爆発事故に対しての責任を取らせる。

2. 使用者が支配する「保護協約」や組合選挙への干渉など、労働者の結社の自由を侵害する仕組みを廃止する。

3. 民主的組合、賃金・労働条件改善、良好な安全衛生条件を求める労働者の正当な要求を抑え込むための、国家当局や民間企業による実力行使をやめる。

4. メキシコ鉱山労組とメキシコ電機労組に対する政治的迫害キャンペーンをやめる。

EMF代表はヨーロッパの観点からキャンペーンを紹介し、2006年以降、ヨーロッパの労働組合がメキシコの労使関係に積極的に関与しており、欧州議会メキシコ委員会の元女性議長エリカ・マンと接触するなどしたことを強調した。EMFは、このキャンペーンが欧州議会社会主義グループのメンバーであるスティーブン・ヒューズから支持を得ていることも強調した。

メキシコ政府は2006年以降、メキシコ鉱山労組(SNTMMSRM/ロス・ミネロス)に対する不法かつ暴力的な攻撃を徐々に強めている。同労組は、パスタ・デ・コンチョスで鉱山労働者65人が死亡した事故の公正な裁きと遺体の収容を要求した。メキシコ政府は、メキシコ鉱山労組の壊滅を狙って、国内法と国際基準を組織ぐるみで繰り返し侵害している。メキシコ鉱山労組だけではない。メキシコの労働者の生活改善に取り組むその他少数の真の独立労働組合も、ますます激しい攻撃にさらされるようになっている。

過去数年間に採択されたメキシコに関する欧州議会決議を見れば、同委員会が以前から明白に人権を要求してきたことが分かる。これらの決議には、組織犯罪、麻薬取引、メディア労働者に対する迫害、それに女性に対する暴力にも反対する厳しい文言が盛り込まれている。しかし、一般的な労働権や進行中の労働件侵害に明確に触れた決議はない。

EMFとIMFの代表は、そのような決議を国際労働運動は何よりも歓迎すると示唆した。コルテス・ラストラ氏は、元スペイン社会労働党代表であり、メキシコの労働権と現在の不正行為について深い理解と同情を示している。同氏は次の委員会で労働権侵害の問題を取り上げるよう促し、「労働組合との情報交換の改善が望まれる」と述べた。同委員会はメキシコ政府と建設的な関係を築いており、労働問題をめぐって議論しようという機運が高まる可能性がある。

EMFとIMFは、メキシコで開かれる次の委員会で労働組合代表との協議が行われることも示唆し、そのような協議の案をまとめると申し出た。

[2011年3月4日――アニタ・ガードナー]