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ILOが保護協約めぐり討議

ILO結社の自由委員会は組合の自主性、保護協約および不安定労働に関するIMFの苦情に検討を加え、メキシコの保護協約問題への取り組みを約束するとともに、メキシコ政府に労使との建設的な対話を実施するよう要求した。

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ジュネーブ2009年2月にIMFが苦情(第2694号)を申し立ててから初めて、国際労働機関(ILO)結社の自由委員会(CFA)は、メキシコにおける保護協約の問題をめぐり討議し、この問題をさらに調査するようILOに求める強力な勧告を発表した。

CFAは、政府が使用者ならびに労働組合(苦情を申し立てたすべての組合であるIMF、ITUC、SNTMMSRM、SITUAM、それにUNT加盟組織のSTIMAHCSとSTRMを含む)と建設的な社会的対話を行い、特に以下の点に検討を加えるよう勧告している。

●最高裁判所が違憲との判断を下した労働組合保護条項、すなわち「免責条項」の適用が、自分で選んだ組合を結成したり、そのような組合に加入したりする労働者の権利を損なっている実態
●労働組合が団体交渉を行うために必要な最低限の代表資格に関する問題
●調停・仲裁委員会(JCA)が公平性に欠け、手続きに時間がかかりすぎるという申し立て

メキシコ政府は、この対話の結果について折り返し報告するよう求められている。同委員会は、組合の自主性と鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMSRM)の迫害に関してIMFが申し立てた2006年3月から審議中の苦情(第2478号)についても議論した。ILOはメキシコ政府に対し、IMFが報告した殺害・誘拐・不当逮捕・暴力事件を調査し、その結果を委員会に知らせるよう要求している。

またILOは、韓国政府が不安定労働者の権利を保護するために必要な措置を実施していないという事案も取り上げた。韓国金属労組(KMWU)、韓国民主労総(KCTU)およびIMFが申し立てた審議中の苦情(第2602号)は、韓国の「違法派遣」労働者の苦況を浮き彫りにしている。この労働者たちは、主要多国籍自動車・エレクトロニクス企業で下請労働に従事しているが、契約上の身分が原因で労働法に基づく法的保護を受けていない。この苦情は、刑法第314条(「営業妨害」)に基づく争議行為の非合法化にも反論している。

韓国政府はILOに、「29の職場で社内下請の現状を把握するために調査を行う」と報告した。ILOは韓国政府に対し、この調査について折り返し報告するとともに、この苦情で取り上げられている既存の事件に関して追加情報を提供し、下請労働者や「派遣」労働者の結社の自由に対する権利と団体交渉権の保護を強化するために努力するよう要請している。

結社の自由委員会による報告書(英語、スペイン語、フランス語)を読むには下記サイトを参照: http://www.ilo.org/gb/GBSessions/lang――en/docName――WCMS_153533/index.htm

[2011年4月7日――クリスティン・ピーター]