IMFニュース・ブリーフス

ブラジルのアルセロール・ミッタル工場で労使関係が悪化

ブラジル・ビトリアのトゥバランにあるアルセロール・ミッタル工場では、現場の安全衛生基準は高いが、経営側とCNM-CUT地方組合との関係を改善する必要がある。

photo
photo
ブラジルアルセロール・ミッタル合同グローバル安全衛生委員会(JGHSC)は、3月28〜29日にビトリアのトゥバラン鉄鋼工場で会合を開いた。この工場は750万トンの鉄鋼を生産し、4,870人の直接雇用従業員がいる。工場内の安全基準は非常に高かったが、従業員関係、特にCNM-CUT地方組合との関与を改善する必要がある。

JGHSCとの本会議の開会式に集まった出席者50人の中に地方組合の代表が1人もおらず、組合との関係がうまくいっていないことが明らかになった。JGHSC訪問でこのようなことが起こったのは、今回が初めてだった。通常は、本会議に続いて経営側と組合側の分科会がそれぞれ個別に開かれる。JGHSCの介入後、最終的に地方組合が招待され、組合分科会に出席した。この工場のCNM-CUT代表は以前、アルセロール・ミッタル・ラテンアメリカ労働組合ネットワークの結成に加わった。

地方組合が確認した問題の中には、経営側との関係悪化と協力不足が含まれていた。CNM-CUTは、この工場でもっと多くの労働者を組合に加入させる必要があることも認識していた。現在、組合組織率は約6%である。この工場の組織率は一時は85%に達していたが、1992年の民営化と労使紛争で低下した。

欧州金属労連のトニー・マーフィーは次のように述べた。「ミッタル氏が従業員関係に基づいて設備投資をしようとしているとすれば、この現場の優先順位はずいぶん低いだろう。私はトゥバランの労使に、アルゼンチンのアシンダール工場を一緒に視察し、この基準となる工場から教訓を得るよう勧めたい」

続いてJGHSCは、鉄鋼作業場、溶鉱炉、コークス・バッテリーなど、工場内のいくつかのエリアを見て回った。視察した限りでは安全基準も高く、特に維持管理は工場全体で実によく行き届いていた。確認された最優良事例には、標識の利用、個人用保護具の全体的な使用、制御室の状況が含まれていた。改善分野としては、現場で利用されている請負業者数の削減が挙げられた。請負業者は労働者全体の50%近くを占めている。請負業者の事故発生頻度は直接雇用従業員よりはるかに高い。

ロブ・ジョンストンIMFエグゼクティブ・ディレクターは次のように述べた。「トゥバランはアルセロール・ミッタルの基準工場になる要素をすべて備えているが、そのためには労使が建設的に協力する方法を見つけなければならない。視察中に地方組合が対話を提案した。私は経営側に対し、この提案を受け入れるよう勧める」

[2011年3月31日――ロブ・ジョンストン]