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労働者死亡事故でイタリアのティッセンクルップCEOに有罪判決

謀殺罪で歴史的な判決が下され、2007年12月にトリノの鉄鋼工場で7人の労働者が死亡した事件で、イタリアのティッセンクルップCEOが16年6カ月の実刑判決を言い渡された。

イタリアトリノの裁判所は4月15日、2007年12月6日にトリノの多国籍企業ティッセンクルップの鉄鋼工場火災で7人の労働者が死亡した事件について、イタリアの同社CEOハラルド・エスペンハーンに懲役16年6カ月の実刑判決を下した。

その他5人の企業役員も過失致死罪で最大13年6カ月の実刑判決を受けた。このドイツ企業は100万ユーロの罰金を科せられた。さらにティッセンクルップは6カ月間、イタリアの国庫補助金を受給することができず、イタリア国内で製品の広告を出すことも禁止される。

事故発生当時、同社は段階的に工場閉鎖を進めており、400人いた従業員のうち残っていたのは200人だけで、安全衛生基準を守っていなかった。検察側による事故調査の結果、CEOがリスクを十分に認識していながら、工場で最低限の法定措置を講じなかったことが判明した。

この判決は、異議が申し立てられる可能性はあるものの、CEOが謀殺に責任を負うことを認める重要な判例となった点で歴史的であり、イタリアの労働災害事件では前例がない。

労働者のうち1人は激しい火災のためトリノの工場現場で亡くなり、他の6人はその後病院で死亡した。この死亡事故を受けて、職場の安全対策改善を求める全国的なキャンペーンが始まった。

新聞の報道によると、検察官ラファエレ・グアリニエッロはこの判決を歓迎し、「職場の安全衛生にとって重要な意味を持つ」ことになると述べた。

[2011年4月20日――アニタ・ガードナー]