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KMWUが柳成の組合つぶし戦略を公表

韓国系自動車部品メーカー柳成企業の牙山工場で500人の労働者が座り込み抗議を実施し、この行動を鎮圧するために3,000人以上の機動隊が派遣された。韓国金属労組(KMWU)に入った報告によると、これは同社が実施する一般的な組合つぶし戦略の一環である。

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韓国5月24日(火)、ソウルの南西約90キロメートルの柳成企業牙山工場で座り込み抗議を実施していた500人の労働者を追い散らすために、3,000人を超える機動隊が送り込まれた。

同社は2009年に韓国金属労組(KMWU)と協約を締結し、労働者の負傷や睡眠障害が多発していた夜勤をなくすとともに、2011年1月から月給制に基づく2日間のシフトを導入すると約束した。この協約を実際にどのように実施するかをめぐって使用者側と10回以上交渉したにもかかわらず、合意に至らなかった。KMWUは2011年5月17〜18日、争議行為を実施するかどうかの投票を行った。賛成78%で集団行動が法的に可能となり、5月18日午後、同労組は日勤従業員による2時間ストを決行した。

これに対して会社側は、その日の夜遅く現地の組合員に対するロックアウトを発表、約30人の暴漢が工場を取り囲み、夜勤労働者が現場に入るのを阻止しようとした。労働者たちは日勤の同僚の助けを借りて何とか工場に入った。

2時間後の午後10時、労働者が非難集会を開いたことに対応して、雇われた暴漢のうち何人かがミニバンで労働者の集会に突っ込み、約13人の労働者が負傷した。暴漢は車で走り去り、バンを乗り捨てて逃げた。その後、警察がミニバンを調べ、「労使紛争・借家人追い立て専門」の暴漢グループの広告が入った名刺を確認した。

ロックアウト中にもKMWUが、この工場の長期的な組合つぶし計画に関する会社の文書を発見した。例えば、ストの誘発、ロックアウトの実施、暴漢による工場の封鎖によって、工場で暴力行為を引き起こし、警察による弾圧に持ち込もうとするやり方である。

5月19〜24日に約500人の労働者が工場に留まり、ロックアウトの撤回を要求するとともに会社側の組合つぶしに抗議した。この行動は機動隊によって暴力的に鎮圧された。KMWUの考えによると、ヴァレオ万都、KEC、相信ブレーキなど、他の自動車部品会社も同種の組合つぶし戦略を利用している。

柳成企業は韓国の4大自動車メーカーの主要サプライヤーで、例えば現代・起亜自動車がディーゼルエンジン生産に必要とするピストンリングの最大70%を供給している。柳成は現在ほぼ750人の労働者を雇用しており、うち570人が労働組合に加入している。年間売上高は2億2,000万米ドルで、純利益は1,100万米ドルに上る。

[2011年5月28日――アレックス・イワーノウ]