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組合ネットワークの構築――機械エンジニアリングの優先課題

機械エンジニアリング会議で、建設・採掘機械や農業機械をはじめ、いくつかのサブセクターが今後の活動分野として確認された。

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アメリカ2011年5月18〜19日にシンシナティでIMFグローバル機械エンジニアリング会議が開催され、15カ国の組合代表が出席、労働者と組合が直面している課題について討議し、この部門の戦略を策定した。同時にシンシナティで開かれていたIAM工具・金型会議の代議員も参加した。基調演説ではトム・ブッフェンバーガーIAMAW会長兼IMF副会長が、「機械エンジニアリング産業の重要性と、この産業の労働者を代表する組合間の国際協力の重要性に対する認識を高める必要がある」と強調した。

2日間の会合で、機械エンジニアリングにおける展開と見通しや、グリーン・テクノロジーの分野などにおける中国の役割の拡大をめぐって議論し、臨時・派遣労働に対処したり、高度熟練労働者の割合が高い分野で組織化を実施したりした経験も共有した。議論の結果、グローバル・ユニオンの力を強化し、労働者・労働組合の権利に対する攻撃の強まりや、賃金と社会基準を引き下げようとする試みに対抗する必要のあることが確認された。ボブ・キングUAW会長がアメリカの組織化について話し、全国労働関係委員会は「もはや労働者に、組合によって代表されることを選ぶ民主的権利を与えてはくれない」と述べた。

若年者の組織化にもっと注意を払うべきことに参加者全員が同意し、組合がどのようにこの問題に取り組んでいるかについて実例が紹介された。機械エンジニアリング産業の変化への対応をめぐる議論の結果、未来のエネルギー源の種類がこの部門に強い影響を及ぼすこと、組合がこのプロセスに関与し、労働者のために変化の方向に影響を与える必要があることも明らかになった。

参加者は機械エンジニアリング部門の規模と多様性を踏まえて、今後この部門でIMF活動を実施するにあたり、建設・掘削機械や農業機械をはじめとするサブセクター・レベルに焦点を絞るべきことに合意した。これらのサブセクターでは、ジョン・ディアやCNH、コマツといった多国籍企業が活動しており、IMFキャタピラー・ネットワークで得られた経験を足場にしてネットワークを開発できる可能性がある。IMFは、この分野で貴重な労働を実施している欧州金属労連とも引き続き緊密に協力していく。このような方針に沿って活動案を練り上げ、IMF執行委員会に提出する予定である。

ルドルフ・ニュルンベルガーIMF機械エンジニアリング産業部会部会長が会議の結果を歓迎した。「今まで機械エンジニアリングは、IMFで他の部門ほど目立っていなかった」と同部会長は述べ、「この会議は機械エンジニアリングをIMF産業別活動の前面に押し出す格好の基盤を与えてくれた」と付け加えた。

[2011年5月23日――アンヌ=マリー・ミューロー]