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国際労働総会で権利侵害めぐり討議

2011年6月のILO総会で、政労使三者で構成される基準適用委員会がILO条約の遵守と労働者の権利に関する25の事件に検討を加え、その中にはトルコ、メキシコ、ベラルーシ、スワジランド、ジンバブエの権利侵害が含まれていた。

ジュネーブ今年の国際労働機関(ILO)第100回国際労働総会(ILC)には何百人もの代議員が出席し、ILO条約、ILO基本原則および労働者の権利の適用をめぐって議論した。

基準適用委員会はILC開催中に会合を開いた多くの委員会の1つであり、その明確な任務は、各国政府が批准済みILO条約を支持していないことを労使が確認した特定の事件を調べることである。

ここ2週間の間に合計25件が討議された。IMFはILC開催中、加盟組合にかかわるものを中心に多くの事件をフォローしている。以下の国別報告は、これらの事件のいくつかで起こった出来事を簡単に要約している。

ベラルーシ
ベラルーシ労働・社会保護大臣が介入し、「独立労働組合に対する圧力は言葉によるものだけであり、実際に圧力を加えているわけではない」と主張した。しかし基準適用委員会はベラルーシ政府に対し、組合差別の申し立てを独立かつ公平に調査し、2004年に行われた調査委員会の勧告を実施するよう要求した。

メキシコ
鉱山の安全衛生に関する条約第155号を支持するというメキシコの約束をめぐって討議が行われ、差し迫った危険がある場合に作業を中止する労働者の権利が焦点となった。メキシコの労働者代表マヌエル・フェンテスの説明によると、政府は鉱山の安全衛生を改善するためにいくつか取り組みを始めているが、適切に訓練を受けた労働監督官の不足、統制されていない鉱業権、外部委託が原因で、特に鉱山災害の約80%が発生していると推定される闇鉱山の状況が悪化している。使用者グループは、作業を中止する権利に強硬に反対し、誠実な取り組みが重要な役割を果たさなければならないと主張した。

三者構成委員会はメキシコ政府に対し、条約第155号を支持するために講じた措置に関して詳しい情報を提供し、直ちに専門家委員会に折り返し報告するよう求めた。基準適用委員会で条約第155号に関してメキシコが取り上げられたのは、今年で2年連続である。

スワジランド
スワジランドが結社の自由と団結権に関するILO条約第87号を支持していない問題をめぐって激論が戦わされ、警察に拘留されている間にデモ参加者が謎の死を遂げたこと、警察による暴力行為が続いていることが話題になった。労働者代表は政府に人権危機への取り組みを求め、「労働者は自由に会合を開いたり、デモ行進したり、メディアを利用したりできない状況にある」と述べた。スワジランドの労働者代表が「今日集会を開けば明日は逮捕される」と説明し、実施されている社会的対話は、人権・労働権侵害に取り組んでいるという印象を与えるために「政府が仕組んだPR活動にすぎない」と付け加えた。

トルコ
トルコが条約第87号を遵守していない問題が再び委員会で取り上げられたが、これは過去7年で5回目のことである。討議は夜遅くまで続き、労働者代表は「法律面で改善があった」という政府の主張に反論し、「法律上の労働者の権利と現実の労働者の権利には大きな違いがある」と説明した。「トルコの問題としては、国内法が国際基準に十分に従っていないことだけではなく、制定されている法律が効果的に実施されていない場合が多いことも挙げられる。組合差別が広く見られ、司法制度に不備のあることが、依然として深刻な問題となっている」と労働者代表のリーサ・フォルケルスマは主張し、組合加入にあたって労働者が共通の課題に直面している典型例としてシンター・メタル事件を提示した。

「この例は特別なものではなく、報復的な解雇がトルコで労働者の権利を弱体化させるごく一般的な方法であることを示している。組合差別、特に迅速な救済手段がない状況下での不当解雇は、組合の存在自体を危険にさらすため、結社の自由の最も重大な侵害の1つだ」とフォルケルスマは付け加えた。

ジンバブエ
違反の常連であるジンバブエがILO条約第87号に関して、また審議の対象になった。ジンバブエ政府が結社の自由の原則を尊重していない問題について、アフリカ、ヨーロッパ、中国の労働者が議論した。労働者グループは最後に、昨年のILO調査委員会の「明白な」勧告を直ちに実施する必要がある、と繰り返した。勧告の内容は以下のとおり。

●労働組合員に対する攻撃の停止
●人権委員会の設置
●治安部隊向けの人権訓練
●法の支配の強化
●法律とILO条約との調和

委員会はジンバブエ政府に対し、労働組合員に対する係争中の訴訟すべてを即刻取り下げ、すべての反組合的な慣行(逮捕、拘留、暴力、拷問、威嚇、嫌がらせ、組合差別)を直ちに停止するよう要求した。政府は進展について専門家委員会に折り返し報告するよう求められている。

[2011年6月16日――クリスティン・ピーター]