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白血病と半導体生産に因果関係

画期的判決が下され、半導体産業における労働者のがんが初めて職業病とみなされた。

ソウル6月23日、ソウル行政裁判所は三星電子に対し、2人の労働者、ホワン・ユミとリー・スクヨンの遺族への補償金支払いを命じた。2人は半導体製造用のウエハーを作る三星の生産ラインの同じ場所で働いたあと、急性骨髄白血病で亡くなった。この判決は2009年の韓国労働災害補償・福祉局による決定を覆した。同局の決定は、2人の死に対する補償金と葬儀費用の支払請求を却下し、職場関連の死亡と認めることを拒否した。

行政裁判所の裁判官たちは決定を言い渡す際、次のように述べた。「従業員の白血病の原因は科学的にはまだ解明されていないが、有毒化学物質と電離放射線への絶えざる曝露が白血病を引き起こしたか、少なくとも発病を早めたと推定できる。白血病と仕事との間に関連があると言うべきである」

この画期的な決定を受けて、三星では労働者がさらに訴訟を起こしそうである。活動家が収集した情報によると、これまでに23人の三星労働者が白血病やリンパ腫のような血液がんにかかり、そのうち少なくとも9人が死亡した。2010年3月1日、韓国金属労組(KMWU)を含むいくつかの活動家グループがグローバル・キャンペーンを開始、韓国政府に対し、エレクトロニクス製造におけるこれらのがんと労働者の雇用との関連を調査するとともに(http://www.imfmetal.org/index.cfm?c=22391)、労働者とその家族を救済するよう要求した。

この判決に対して三星は、裁判所の認定の受け入れを拒否し、「間もなく半導体生産ラインに関する独自調査の結果を発表する」と述べた。

[2011年6月24日――ジェニー・ホールドクロフト]