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インドで新たな協力関係によって組織化が進展

インドのIMF組織化プロジェクトの結果、1万5,000人の鉄鋼労働者が組合に加入した。

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インドIMF/ILO−TCO/SASKインド鉄鋼業組織化プロジェクトのプロジェクト諮問委員会(PAC)が、2011年6月15〜18日に第2回会合を開いた。このPAC会合では、インド全国金属労連(INMF)とインド鉄鋼・金属・機械労連(SMEFI)との緊密な協力が、1万5,000人以上の鉄鋼労働者を勧誘する基礎となったことが報告された。プロジェクトの全体的目標は、2012年までに2万人の新規組合員を勧誘することである。

このプロジェクトは、オリッサ、ジャールカンド、チャッティースガルの3州に重点を置いている。プロジェクトの結果、組織化における競合禁止、共同活動、共同キャンペーンなど、両連合団体間の協力関係が新たに深まっている。INMFとSMEFIは緊張関係にあるが、プロジェクトのおかげで、関連組合は地方・地域・全国レベルで戦略的に協力できるようになった。例えば、新たに組織化された職場の登録手続きを地方政府が怠ったり遅らせたりしている問題をめぐって、抗議行動を実施する予定である。またINMFとSMEFIは、合同全国鉄鋼委員会に鉄鋼業の不安定労働者の最低賃金を要求させることにも成功した。

両連合団体は地域レベルで定期会合を開いており、組織化目標を共有するとともに、同じ職場での承認をめぐる競争で資源を浪費しないようにすることができた。これらの定期的な交流によって現在、プロジェクトの枠を超えて積極的な対話が発展しており、共同抗議行動などの活動につながっている。

ロブ・ジョンストンIMFエグゼクティブ・ディレクターは会合で次のように述べた。「新しいレベルの協力がインド全体に利益を与えるよう願っている。両団体が追加的な活動に対する責任を引き受けており、それによって持続可能性が高まっているという話が聞けたことも重要だった」

もう1つの明るい進展は、両団体が民間部門での組織化に成功していることだ。プロジェクトの結果、今では1万1,000人を超える民間部門の新規組合員が組合費を支払っている。新たに組織化された労働者の中には、鉄鋼業で働く事務技術職労働者や女性労働者が含まれている。

IMF加盟組織ユニオネンのベリバン・オンゴルールは、「これまでのプロジェクトの成果、特に民間部門労働者や事務技術職労働者も加入してくれたことに満足している」と付け加えた。

次の段階では、さらに3州でオルグの訓練を開始する。アンドラプラデシュ、マハラシュトラ、パンジャブ州マンディ・ゴビンドガルが、最終的にプロジェクト実施の第2段階の対象に選ばれた。

SMEFIのサンジャイ・バンダカールが次のように付け加えた。「両連合団体にとって極めて重要なのは、これまでのプロジェクトの成功を足場に前進し、私たちの戦略にとっていずれも非常に重要な追加3州にプロジェクトの価値を広げることだ。この勢いを維持する必要がある」

次のPACは2012年4月に開催し、追加3州に関する戦略を策定する予定である。

[2011年6月20日――ライナー・サンティ]