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オーストラリアで組合が労働者に接触する権利を保証する判決

オーストラリア労組(AWU)は6月24日にフェア・ワーク・オーストラリアから、タスマニア州ベル・ベイにあるリオ・ティントのアルキャン・アルミニウム製錬所で、食堂に立ち入る組合の権利を認める確定判決を勝ち取った。これによって数カ月に及ぶ法廷争いが終了する。この判決は、現場で労働者に接触する組合の合法的権利を使用者が妨害することを禁止する判例になるだろう。

オーストラリアそのような権利を合法化した2009年フェア・ワーク法の施行2周年に当たる7月1日、ポール・ハウズAWU全国書記と3人のAWUオルグが、アルキャンのベル・ベイ製錬所の食堂で意気揚々とAWU組合員と会合を開いた。それまでリオ・ティントは、そのような会合は管理エリア(一般に職場の中に設けられ、監視や経営側による威嚇がより厳しい区域)で開かなければならない、と主張していた。

550人の労働者が働くアルキャン製錬所では、オーストラリアで初めて、バランスの取れたフェア・ワーク法に基づいて立入権を導入しようとする試みがなされている。この法律は、前保守政権が成立させたワークチョイス法の経営権関連条項の多くを覆した。また、AWUとアルキャンとの完全な企業別交渉を実現する大きなきっかけにもなる。

ベル・ベイでアルキャン労働者の過半数を組織化しているAWUは、このフェア・ワーク・オーストラリアの決定を利用して、組合に加入していないリオ・ティント労働者の勧誘を目的とする広告キャンペーンも再開した。

AWUは、「この決定を利用して、クイーンズランド州のグラッドストン(ボイン島)とヤーウンのアルキャン現場で同様の環境に置かれている組合員とも会合を開く」と述べた。

フェア・ワーク・オーストラリアの判決は、「作業エリアの近くにある食堂は、フェア・ワーク法に基づいてそのような合法的会合を開く場所としては狭すぎ、労働者と組合が討議すれば休憩中の他の労働者の邪魔になる」というアルキャンの主張も退けた。

オーストラリア労働組合協議会(ACTU)のジェフ・ローレンス書記は、ベル・ベイ判決は「他の使用者に、団体交渉と組合加入に対する労働者の基本的権利を尊重しなければならないという積極的なメッセージを送る」と述べた。

詳しくはICEMウェブサイトを参照:
http://www.icem.org/en/78-ICEM-InBrief/4530-Australia:-AWU-Wins-Correct-Access-to-Rio-Tinto-s-Alcan-Smelter

[2011年7月2日 ――ICEM]