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南アフリカでNUMがヴァーレによるメトレックス買収の阻止に成功

全世界の国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)傘下組織が先週、南アフリカの全国鉱山労組(NUM)が、同国に投資して域内の他の国々に事業を広げようとするブラジル系鉱山会社グループ、ヴァーレの画策の阻止に成功したことを祝福した。

南アフリカヴァーレが世界中で、特にカナダで全米鉄鋼労組(USW)に対して反組合的な行動に出ていることを受けて、フランス・バレニNUM書記長は同社を「世界でも際だって労働者を搾取している企業」と表現した。

ヨハネスブルグ証券取引所に上場している卑金属鉱山会社メトレックスは、ずいぶん前からヴァーレの買収ターゲットとなってきた。この南アフリカ系鉱山会社は、コンゴ民主共和国(DRC)とザンビアで大規模な銅・コバルト採掘事業を展開し、成長が期待されるプロジェクトを実施している。

7月12日、NUMが強い圧力をかけた結果、ヴァーレがメトレックス買収から手を引くという歓迎すべきニュースが発表された。ヴァーレが引き続き買収を試みていれば、NUMは南アフリカ競争委員会に異議を申し立てる予定だった。

メトレックス買収を狙うもう1つの企業、中国系の金川も過去の労使関係が好ましいものではなく、NUMは同社を歓迎していない。ヴァーレの買収断念は金川に、NUMの力が非常に大きいという厳しい警告を与えることになるだろう。バレニ書記長は金川に「郷に入っては郷に従え」と警告した。

マンフレッド・ワーダICEM書記長は、この勝利に関してバレニ書記長を祝福し、「アフリカの支配的な労働組合の力を示す新たな事例」と表現した。

金川はメトレックスに91億ランド(9億3,000万ユーロ)を提示しており、同社の取締役会は株主に提示の受け入れを勧めている。

関連リンク:
NUM in Formal Disputes with South African Gold, Platinum, Coal Mining Houses


[2011年7月18日――ICEM]