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ロシアのゲスタンプ労組が賃金・労働条件改善を求めて闘争

ロシア・カルガのゲスタンプで地域間自動車労組(ITUA)支部の活動家が、使用者に国内労働法の厳守を要求する嘆願書を作成した。

ロシア6月14日、近くのフォルクスワーゲン組立工場向けに部品を生産するハイテク工場ゲスタンプ・カルガで、組合支部が設立された。新組合はIMF加盟組織の地域間自動車労組(ITUA)に加盟した。

ゲスタンプ・セベルスタリ・カルガはロシアとスペインの合弁事業で、株式の過半数をスペイン系企業ゲスタンプ・オートモーションとロシア系の鉄鋼・鉱山会社セベルスタリが所有している。この工場は冷間鍛造によって車体のプレス部品を生産している。

2010年7月に設立されたゲスタンプ・カルガは現在120人の常用労働者を雇用しており、うち80人が生産労働者である。同社は人材会社アデコ経由で不安定労働者も利用している。アデコは、経営側が導入した6カ月の「試用期間」に、カルガでフォルクスワーゲン労働者の使用者にもなっている。

組合活動家は、経営側に国内労働法の厳守と社会的対話への参加を求める嘆願書を作成し、現在、工場で本格的な組織化キャンペーンを実施している。

工場の支部組合員が調査を実施した。調査結果によると、労働者にとっての主要問題は、賃金が少ないことと作業環境評価が1年も遅れていることだ。ゲスタンプの賃金はフォルクスワーゲンより低い。月給は2万〜2万6,000ルーブル(740〜960米ドル)である。組合活動家は、工場の労働条件は「厳しい」と主張している。その主張が正しいとすれば、労働者は1年以上にわたって厳しい労働条件に対する(ロシアの法律で規定された)給付を受け取っていないことになる。

組合支部の主な目標は、賃上げと作業環境評価の実施である。

ロシアのカルガでは近年、自動車産業が大きく成長しており、VWやプジョーなどの主要自動車メーカーがサプライヤーとともに進出している。カルガで活動している少数の多国籍企業の1つ、フォルクスワーゲンのサプライチェーンには、ゴンバッリ、フォルシア、リア・コーポレーション、マグナといった企業の工場が含まれている。そのうちいくつかの工場にはすでにITUA支部がある。

[2011年7月22日――イリヤ・マトベーエフ]