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ハネウェルでUSW傘下組合が暫定協約を締結

アメリカの製造・技術企業ハネウェルが55週間前から組織労働者228人に対して実施してきたロックアウトが、終わったようである。イリノイ州メトロポリスの全米鉄鋼労組(USW)第7-669支部とハネウェルは7月20日、新しい3年協約について暫定合意に達した。これにより、来週暫定協約が承認されれば、USW組合員は8月15日から職場に復帰する。

アメリカこの現場では、ウラン鉱粗製物を核燃料濃縮用の六フッ化ウラニウム(UF6)に転換している。USW第7-669支部組合員は2010年6月28日からロックアウトされており、その後数週間、不可解にもハネウェルは、危険薬品を使用する現場で未経験の代替労働者を雇って事業を再開した。

第7-669支部のダレル・リリー支部長によると、同労組は現在、職務再分類を整理しているところである。ハネウェルは21人分の新規雇用を創出した。組合は新しい暫定協約で先任権条項を維持したので、労働者を職場に復帰させるためにジョブ・スケジューリングと作業要員募集を実施しなければならない。

リリーによると、この手続きは今日完了するはずであり、組合は来週早々に新協約の説明会を開き、来週半ばまでには暫定協約に関する投票が行われると予想される。

「全体的に見て、私たちは協約案に全面的に満足しているわけではないが、会社側が組合から取り上げようとしていた主な条項のいくつかが維持されたことをうれしく思う」とリリーは述べた。「労働組合員が重視する中心的な条項のほとんどを守ることができた」

そのような条項として、事業開始にあたって最も先任順位の高い労働者がより有利な職に就けるようにする先任権条項、現行労働者の確定給付年金制度の維持、その年金制度に基づく退職者医療給付、1日8時間および12時間を超える時間給労働の超過労働手当の維持が挙げられる。メトロポリスのハネウェル労働者は8時間、12時間両方の交代制勤務で働いている。

労働者が維持したもう1つの重要な条項は、週6日目の労働日の5割増し給と7日目の倍額支給だった(今月上旬の国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)ニュースを参照)。

賃金に関しては、この協約案は1年目の賃上げは盛り込んでいないが、2012年8月15日に1%、2013年8月15日に2%の増額を定めている。ここで留意すべきは、ロックアウト開始時には、第7-669支部が賃金凍結と旧3年協約のすべての条件の継続を提案したのに対し、会社側は多くの給付と組合保護条項を骨抜きにしようとしたことである。

協約案では、新採用者は確定給付アライドシグナル年金給付積立基金ではなくエクイティー・ファンド制度の対象となり、米家族・医療休暇法に基づいて休みを取る労働者は同時に休暇を取得しなければならない。少数の清掃・洗濯職務が外注に出され、この危険な職場でそれ以上に気掛かりなことに、たった1人の安全管理者の職務も外部委託される。この職務は、消火器や緊急吸入装置といった安全装置をはじめ、工場全体ですべての安全装置の維持管理に責任を負う。

リリーによると、米原子力規制委員会の命令に従って、8月15日に150人の労働者が、その2週間後に40人が、さらに2週間後に残りの労働者が職場に戻り、訓練・再教育を受ける予定である。経験豊かな適格のUSW組合員が完全に職場復帰すれば、組織労働者は約220人になる。

「第7-669支部は、この長いロックアウトの間中、労働組合や地域社会はじめ多くの方々が多大な支援を寄せてくれたことに大変感謝している」とリリーは述べた。「私たちの闘いに対する国内外からの寄付金や国際支援、承認は忘れ得ぬものとなるだろう」

関連リンク:
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[2011年7月25日――ICEM]