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NUMSAのストが成功裏に終了

南アフリカ全国金属労組(NUMSA)が使用者と合意に達し、金属機械部門で、NUMSA組合員が圧倒的多数を占める17万人の労働者を巻き込んだ2週間のストが終了した。

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南アフリカ金属部門の労働者がストに入り、使用者が提示した7%を拒否して13%の賃上げを要求した。数日に及ぶ交渉と労働者による街頭デモを経て、NUMSAは使用者に圧力をかけ、協約初年度に最低等級10%、熟練等級8%の賃上げを最終的に取り決めた。3年協約の2年目と3年目については、インフレ率が8%未満にとどまれば、各年に最低等級8%、熟練等級7%の賃上げとなる。2年目か3年目のいずれか一方または両方にインフレ率が8%を超えた場合は、賃上げ率はインフレ率プラス2%になる。

NUMSAは、賃金協約の期間を3年から2年に短縮するという要求は実現できなかったが、2桁に満たない最低賃金増額は受け入れないよう組合員から委任されていたため、この賃金協約に満足している。

「賃金交渉は分離して考えるのではなく、我が国が直面している三重の危機に取り組む手段の1つとみなすべきだ」とイルヴィン・ジムNUMSA書記長は言う。「南アフリカは収入面で世界一不平等な国であり、この不平等に取り組む最も具体的な方法は賃金格差の縮小だ。この問題に関して断固とした行動を取るうえで、賃金交渉は最も強力な手段になる」

交渉の結果、他の分野でも、特に不安定労働と闘うNUMSAの取り組みに関して大きな成果があった。スト実施中に開かれた特別全国執行委員会(NEC)で、いくつか決議が採択された。その1つは「金属機械産業では、過去に人材斡旋会社を規制したことがあるが、労働者の搾取をなくすには至らなかったため、人材斡旋会社はいっさい利用してはならない」というものである。

交渉開始時、使用者は人材斡旋会社の規制を検討する意思しか示していなかったが、NUMSAは使用者側から、人材斡旋会社の利用全廃への同意を取りつけることに成功した。現在人材斡旋会社を通して雇用されている労働者は、4カ月の期間限定契約(LDC)に移行し、それ以降は常用雇用となる。この契約に基づいて雇用される労働者は、常用労働者と同じ給付を受け取る。4カ月経過後、使用者は、LDC労働者を別のLDC労働者と入れ替えるために解雇することができなくなる

労働組合権の面でも進展があった。使用者は、工場レベルの労働者総会を年4回、勤務時間中に開催することを認める。年間最低5日の職場委員訓練についても合意し、この日数は工場レベル交渉で延長することができる。

労使双方は、南アフリカ製造業の今後の発展と雇用創出をめぐる議論の推進についても合意した。この議論は、すでに実施されている枠組みを基礎とし、産業政策フォーラムを通じて進められる。

[2011年7月18日――アイシャ・バハドゥール]