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メキシコで労働者の諸権利侵害が激化

メキシコのフェリペ・カルデロン政権は、合法的な労働組合活動を刑事罰の対象にしようと企て、独立労働組合や労働権保護組織に対する新たな攻撃を開始した。

メキシコIMFに入った報告によると、フェリペ・カルデロン政権は独立労働組合や労働権保護組織に対する攻撃を再開した。

先ごろ、合法的に選出されたメキシコ電機労組(SME)の役員であるマーティン・エスパルサ・フローレス書記長とエドゥアルド・サルサ・ボバディージャ労働担当書記、それに同労組顧問弁護士のアマリア・バルガス・リオスに、不当な告発によって逮捕状が発行された。

検事当局は詐欺未遂で組合役員らを告発し、現在バンセフィ銀行に預けられている組合資金(徴収組合費)の凍結を要求している。

実際に政府は不当な告発と逮捕状によって、SMEを弱体化させようと画策し、合法的に選出された労働組合役員の承認と労働省による組合役員承認証の発行を拒否している。この役員承認手続きは民主主義の原則に著しく反しており、詐欺や悪用の可能性を生んでいる。この例は、役員承認慣行が事実上、結社の自由に対する労働者の権利を侵害していることを改めて裏付けている。

IMFは以前、メキシコ有数の歴史ある組合、SMEに対する攻撃について報告した(http://www.imfmetal.org/index.cfm?c=20955)。同労組の唯一の過ちは、フェリペ・カルデロン政権のネオリベラル方針に対抗していることである。SMEは特に、同労組の組合員が大部分を占める労働者4万4,000人の不当解雇と闘っている。SMEは法的・経済的に実行可能な紛争解決策を数多く提案したが、政府はそれを受け入れず、事態は悪化の一途をたどっている。

最近、メキシコ・プエブラのジョンソン・コントロールズで労働者の組織化を支援している労働者支援センター(CAT)のスタッフにも、攻撃の矛先が向けられている。詳しくはIMFの過去記事を参照:http://www.imfmetal.org/index.cfm?c=25132

CATスタッフは生命の危険にさらされている。2011年7月27日、政府寄りのオンライン業界紙『Periodico Digital』の記事で、CATスタッフは「プエブラ州の状況を不安定にしている」と非難する実業家の言葉が引用された。IMFはCATスタッフが以前に殺害の脅迫を受けたことを考慮し、ハビエル・ロサーノ・アラルコン労働大臣とラファエル・モレノ・バレ・ロサス・プエブラ州知事に接触した。

メキシコ政府がまだ解決策を見つけていない長期に及ぶ事件として、そのほかに、IMFとICEMの加盟組織であるメキシコ全国鉱山・金属・関連労組(SNTMMSRM)の争議がある。同労組は今年、ソノラ、タスコおよびソンブレレテでスト開始から4周年を迎えた。鉱山労働者と地域社会は、政府もグルーポ・メヒコも争議の解決、労働協約の承認、全国鉱山労組の尊重に向けた措置を何ら講じていないことを深く憂慮している。

関連リンク:
IMF letter regarding CAT employees (pdf)


[2011年8月8日――アレックス・イワーノウ]