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ブラジルの自動車労働者がルノーで賃上げを獲得

ブラジルのサンジョゼ・ドス・ピニャイスで働く自動車労働者は8月29日(月)、IMFに加盟する全国金属労働者総連合/「労働組合の力」傘下の大クリティバ金属労組が取り決めた新協約に賛成票を投じた。

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ブラジル2011年から2013年まで実施される新協約に従って、ルノーの自動車労働者は、インフレ調整に加えて最大20.19%の実質賃金の引き上げと、利益分配ボーナスの一部として6万1,500レアルを支給される。

この協約はブラジルの賃金交渉史上最高額の賃上げと考えられ、来年、新しい形態の交渉の基準を定める。

パラナ州の「労働組合の力」のセルジオ・バトカ会長は次のように述べた。「常識があれば、労使双方に利益を与える素晴らしい協約を締結し、労働者が自分の労働に価値を見いだし、企業が労働市場で競争力を高められるようにすることができる」

「この協約は、労働者の賃上げ闘争を批判し、『企業が怖がってパラナ州から逃げてしまう』と主張する者への回答だ。この協約のおかげで、利益分配ボーナスだけでパラナ州経済に3億4,300万レアルが注入されることになる。これによって経済が回り続け、生産が拡大して雇用創出が促されるだろう。パラナの金属労働者は進むべき方向を示している。我が国は全世界的危機の影響に対抗するために、その方向へ進むべきだ」とバトカは述べた。

パラナのルノー工場は5,700人の労働者を直接雇用し、生産能力は年間22万4,000台。現在生産中のモデルは、ルノー・サンデロ、ルノー・サンデロ・ステップウェイ、ローガン、グランド・ツアーである。この工場はブラジル市場とアルゼンチン市場向けに年間1,000万台の予備部品ユニットも生産している。製品の41%が輸出され、アルゼンチン(22%)、コロンビア(13%)、ルーマニアおよびメキシコ(4%)のルノー工場に納入されている。同社は今年、1998年の設立から節目となる生産台数100万台を達成した。国内自動車メーカー・ランキングで第5位につけている。


[2011年8月30日――アレックス・イワーノウ]