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ロシアでITUAが不安定労働に対抗するキャンペーンを開始

地域間自動車労組(ITUA)は8月29日、ロシアのカルガにある人材会社アデコの事務所前で集会を開いた。この行動により、不安定労働に対抗する組合キャンペーンが始まった。

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ロシアIMF加盟組織の地域間自動車労組(ITUA)は8月29日午前9時、ロシア・カルガのガガーリン通りにある人材会社アデコの事務所前で集会を開いた。この行動により、不安定労働に対抗する組合キャンペーンが始まった。

ITUAによると、人材会社はカルガに深く根を下ろし、アデコ、ケリーサービス、ロシア企業カリエラ(キャリア)をはじめ大手10社以上が活動している。

多国籍企業を中心に多くの企業が、労働者の権利を制限しようと熱心に不安定労働を導入している。ITUA支部があるカルガのフォルクスワーゲン工場では、従業員が直接に採用されることはない。常用雇用に就く前に――ロシアの労働法で3カ月に制限されているにもかかわらず――6カ月の「試用期間」を終えなければならない。主要生産ラインでは正社員とほぼ同数の不安定労働者が働いており、労働者のおよそ45%を占めている。「試用期間」中はアデコが労働者と臨時労働契約を結び、契約更新の決定権は経営側だけが握っている。

ロシア議会は、アンドレイ・イサエフとミハイル・タラセンコが提出した不安定労働禁止法案の第一読会を承認した。

ITUAによると、フォルクスワーゲンで働いていた組合員のイゴール・スカチコがアデコに解雇された一件で、組合側は我慢の限界に達した。スカチコは労働災害のため、健康上の理由で軽作業に配置転換された。

「ITUAはアデコを相手取って何件か訴訟を起こし、同時に不安定労働に対抗するキャンペーンを開始した」と、ITUA機関紙『自動車労働者』の編集者でカルガの組合活動家であるオルガ・マッソンは述べた。

「カルガの人材会社前で何度かピケを張り、リーフレットを配布し、フォルクスワーゲンで認識向上キャンペーンを実施する予定だ」と彼女は付け加えた。

[2011年8月30日――イリヤ・マトベーエフ]