IMFニュース・ブリーフス

ITUCがグルジアでハーキュリーズ・スチールの権利侵害に抗議

ITUCはグルジアのミハイル・サアカシュビリ大統領に書簡を送り、グルジア・インド系企業ハーキュリーズ・スチールとグルジア当局による権利侵害に抗議した。これに先立って、この金属工場の労働者はスト決行を余儀なくされ、それに対して政府の支援を受けた経営陣は弾圧運動を開始した。

グルジア国際労働組合総連合(ITUC)は、グルジア・クタイシのハーキュリーズ・スチールにおける状況について、ミハイル・サアカシュビリ大統領に抗議文を送った。

ハーキュリーズ・スチールの労働者147人は2011年8月4日、組合を設立して役員を選出した。労働者は工場の劣悪な賃金・労働条件に抗議した。報告によると、この工場には食堂やロッカールームがなく、医務室はあるが、労働者にとって最も危険な夜勤の時間帯には開いていない。工場の賃金は3年続けてインフレ調整されていない。

経営側は組合の承認を拒否し、8月11日に6人の選出役員を解雇した。労働者は9月2日に警告ストを実施し、解雇された組合幹部の復職と、組合との団体交渉開始を要求した。

これに対して経営側は、さらに多くの組合活動家を解雇した。9月13日、組合は労働者の約9割が参加する全面ストに突入し、ハンスト実施中の労働者も何人かいる。

9月15日、警察が工場に踏み込んでスト参加者数人の身柄を拘束した。この労働者たちは数時間後に釈放されたが、管理者が労働者の自宅まで行って脅しをかけ、さらに数人の労働者が警察によって、職場復帰する旨の声明に署吊させられた。

「ハーキュリーズ・スチールの状況は経営側、政府双方による甚だしい労働組合権侵害だ《とシャラン・バロウは抗議文で述べている。

「この状況で政府は紛争の調停を試みるべきだった。残念ながら、地方政府はこの上法行為を容認しただけでなく、それどころか圧倒的な警察権を行使して上法行為の目的を推進した。これは暴挙だ《とバロウは付け加えている。

ITUCはグルジア政府に対し、ハーキュリーズ・スチールの権利侵害をやめさせ、国際基準の支持に改めて取り組むよう強く要請している。

「国際社会は、この状況とグルジアの労働情勢全般を注意深く監視している。実質的かつ迅速な変革を確認できなければ、グルジアで労働改革を実施させるために国際キャンペーンを継続し、強化していくしかない《とバロウは結んでいる。

ミハイル・サアカシュビリ・グルジア大統領へのITUC抗議文の全文はIMFウェブサイトで閲覧可能。


関連リンク:
ITUC letter to Georgian president (pdf)


[2011年9月19日 イリヤ・マトベーエフ]