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UAWとゼネラル・モーターズが新協約について暫定合意

UAWは9月16日、米国系自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)と新協約について暫定合意に達した。この協約はアメリカのGM労働者5万人近くを対象としている。フォードのUAW組合員4万1,000人とクライスラーの組合員2万6,000人のために交渉が続けられている。

アメリカゼネラル・モーターズ(GM)と全米自動車労組(UAW)との現行協約は9月15日に失効した。GMとの新協約は今後、数十万人の従業員が働く米国系自動車部品会社と外資系自動車メーカーの米国工場でも、賃金の基準を設定することになる。今回の交渉は、2009年にGMとクライスラーが倒産を回避するために政府援助を受けてから初めての交渉である。この援助を得るためにUAWは、GMとクライスラーで賃金をめぐってストを実施しないことに同意しなければならなかった。また、未解決問題は拘束力のある仲裁に付託することができる。

「アメリカの労働者が上確実な経済情勢下に置かれ、経済のグローバル化が進展している中で、UAWは新たな戦略によって一連の交渉に取り組み、各工場にとって重要な投資や製品の確保など、組合員のために主要な目標の実現を目指して闘い、そのうちいくつかを達成した《とボブ・キングUAW会長は述べた。

「何よりもまず、アメリカは記録的な水準の失業と苦闘しているところなので、私たちは組合員の雇用保護を目指し、それを獲得した。この協約は、レイオフされた組合員を職場に復帰させ、地域社会で新規雇用を創出し、他国に流れた仕事を国内に引き戻す《とキングは付け加えた。

協約案の正確な詳細は、UAW組合員がその内容を見直す機会を得るまで伏せられている。だがUAWは、退職給与制度を骨抜きにしようとする企てをうまく食い止め、医療給付についてもいくつか著しい改善を獲得した。加えて、この協約は従来よりもはるかに透明性の高い改善された利益分配も盛り込んでいる。

「団体交渉プロセスを通して、使用者に人並みの賃金、給付、雇用権を提供すると同時に、使用者に質の高い製品と大きな利益を保証できることを、私たちは今日再び証明する。アメリカの自動車産業全体の労働者全員を組織化し、彼らのために闘うという目標をここに再確認する《とキングは付け加えた。

「この暫定合意と私たちが達成した業績を誇りに思うが、組織労働者が、たいてい賃金・給付が少ない――臨時雇用中心の――非組合労働者と競い合わされている限り、すべての自動車労働者の賃金・給付に下方への圧力が加えられ続ける《とキングは述べた。

米国系自動車メーカーの国際枠組み協約と世界従業員代表委員会に関する問題は、GMおよびフォードとの交渉で引き続き討議されている。

[2011年9月19日 ライナー・サンティ]