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カナダのUSスチールでロックアウトが終了

オンタリオ州ハミルトンの全米鉄鋼労組(USW)第1005支部の組合員は、10月15日に賛成61%で、カナダの労働者900人の生活に対するUSスチールの締め付けを終わらせた。組合員は3カ年労働協約を承認し、この製鋼所で49週間前から続いていたロックアウトが終了した。

カナダ: この協約によって労働者は10月18日、1週間の安全衛生訓練を受けるために本来の製鋼所の仕事に復帰し始めた。今週と来週も、訓練のための復職が続くと予想される。新協約は全面的に満足できる内容ではない。というのも、この協約は新採用者に上利な二重構造年金計画を定めており、14カ月に及ぶ争議の大きな争点となった退職者9,000人の賃金・生計費リンク方式を廃止しているからだ。

USスチールは、まず2010年11月7日にロックアウトを実施し、続いてハミルトンの旧ステルコ工場の顧客に米国工場から仕上げ鋼を供給することによって、鉄鋼労働者を朊従させようと圧力をかけた。その結果、1年近く経ったころには、ほとんどの第1005支部組合員の失業保険給付が終わりかけており、労働者の収入は、週200カナダ・ドルのUSWストライキ手当と合わせても標準額の約3分の2になっていた。

この協約には、10月15日の投票から60日以内に支払われる3,000カナダ・ドルの承認ボーナスが盛り込まれ、年金指数方式の代わりに、受給額が月1,500カナダ・ドル未満の退職者に1,000カナダ・ドルの一時金を支給するという規定も定められている。現役労働者の生計費の年次増加額も縮小される。

現役従業員向けの利益分配制度は2011年第4四半期に実施される。その財源はハミルトン工場の利益2,500万カナダ・ドルの6.5%に相当する資金プールで、労働者1人当たりの収入が3,500カナダ・ドル増えることになる。ロックアウトが実施された11カ月は組合員の勤続年数に算入され、一部の労働者は退職が早くなる。
労働者全員が週40時間で26週間の雇用を保障される。これによって9月中旬のUSスチール案は阻止された。この案の復職規定が盛り込まれていれば、協約が批准されてロックアウトが終わったあとも長期にわたって、多くの労働者が失業状態に置かれていただろう。ところが実際は、USスチールはコークス炉と冷間圧延ライン、Zラインしか再開しない。近い将来にハミルトンの溶鉱炉が稼働を再開する予定はない。


関連リンク:
Workers at U.S. Steel in Canada to stage protest rally


[2011年10月25日 ICEM]