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グローバル・ユニオン、G20に雇用重視を要求

グローバル・ユニオンは、11月3〜4日のG20カンヌ・サミットに向けた声明で、質の良い雇用が回復と持続的成長のための唯一の有効な処方箋であり、雇用創出をマクロ経済政策の中心に据え、成長と雇用創出を支援するために財政政策を調整しなければならないと主張している

全世界: 金融・経済・社会危機が「危険な新局面《を迎える中、カンヌでG20サミットが開催される。ほとんどすべての国で経済成長が減速しており、危機が始まってから極貧が大幅に拡大した。一方、世界の失業者数は依然として2億人を超えており、危機前の水準を2,700万人上回っている。

失業は今や回復に対する唯一最大の脅威となっている。長期失業の増加と若年失業の拡大が相まって、長期的な成長の可能性が弱まるおそれがある。成長の低迷と失業率の上昇に、ほとんどのG20諸国における所得格差の拡大が加わって、景気回復を脅かし、長期的な成長率の低下を招き、大きな社会危機と政情上安が生じる結果となるだろう。

G20首脳は、雇用上安、賃金低下、消費縮小および投資抑制の悪循環を断ち切ることによって、金融市場だけでなく勤労者世帯にも強力な信頼のメッセージを送らなければならない。雇用と回復を目指す計画は、危機を食い止めるだけではなく、経済・社会・環境面で公正かつ持続可能な危機後の世界を形成しなければならない。

G20は以下の措置を講じなければならない。

●G20各国が差別化しつつも協調的な雇用目標を設定することによって、「質の高い雇用を回復の中心に《据えるというピッツバーグ・サミットの公約を果たし、雇用重視のインフラ計画、グリーンジョブに対する投資、技能向上のための労働市場プログラムといった措置を直ちに講じる。
●労働市場制度、特に団体交渉、交渉に基づく法定最低賃金、所得格差是正に向けた低所得層への所得支援、若者のための雇用協定を強化する。
●発展の水準に応じた適切な資金によって支援される社会的保護フロアを確立する。
●効果的な金融部門改革を早急に実施し、金融取引税を導入する。

G20財務大臣は、雇用をマクロ経済政策の指標に盛り込んでいない。今こそ国家経済プログラムに雇用目標を組み入れなければならない。

関連リンク:
Global Unions' statement to G20 leaders in Cannes, November 3-4, 2011 (pdf)


[2011年10月25日 カーラ・コレッティ]