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過剰な安全対策で鉄鋼労働者の懸念が増大

グローバル安全衛生委員会(JGHSC)が、ポーランド・ドンブロワグルニチャの鉄鋼工場を訪問した。

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ポーランド: 安全重視が逆に危険に変わるのはいつか?この問題について合意点を見いだそうとポーランドの鉄鋼工場労使が取り組んでいる。地方組合幹部の懸念の焦点は、基準を改善するために導入された安全対策が多すぎることだ。アルセロール・ミッタルの合同グローバル安全衛生委員会(JGHSC)は、先ごろ工場を視察した結果、現地の合同安全衛生委員会の専門知識が解決の鍵を握ると考えている。

JGHSCはドンブロワグルニチャ工場視察中、最近の投資が工場に一体どのような変化をもたらしたかをじかに見る機会を得た。特に、維持管理や更衣室、照明の基準の高さから、視察対象分野の全体的な印象はよかった。JGHSCが改善の余地ありと確認した分野は、適正な個人用保護具を利用する必要性の認識、安全標識のいくつかの設置方法の評価、それに請負業者管理システムの改善だった。

アルセロール・ミッタルはポーランド最大の鉄鋼メーカーで、1万2,000人以上を雇用している。国内鉄鋼需要の70%を供給し、11の生産施設がある。ドンブロワグルニチャ施設は2大工場の1つで、もう1つはクラクフにある。この工場は1976年に国有企業として生産を開始した。アルセロール・ミッタル・グループに加わってから、10億米ドルを超える資金が投じられた。

ロブ・ジョンストンIMFエグゼクティブ・ディレクターは視察中に次のように述べた。「工場の基準や条件が立派な割には、全体的な安全実績がよくない。組合の純粋な懸念は、経営側が過去の安全実績に対する上満から労働者を過剰に管理しようとしており、労働者がストレスを感じていることだ。現地の合同安全衛生委員会は、もっと大きな役割を果たして持てる能力と知識を利用し、バランスを見いだすとともに実施中の各種プログラムを簡素化しなければならない《

JGHSCは過去に視察した現場との電話会議も開き、改善状況に関する最新情報を入手した。その中には、アメリカやターバロ(ブラジル)、ゼニツァ(ボスニア)、バンデルビルパーク(南アフリカ)など、多くの現場が含まれていた。これらの現場のすべてが、以前に立案された行動計画に取り組み続けている。現在、JGHSC活動の見直しに関する文書が英語で発行されており、間もなくフランス語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語でも発表される。JGHSCの次の会合は1月17〜18日にスペインのアストゥリアスで開かれる。

JGHSCは、欧州金属労連からアンドレア・フーセン・ブラッドリーを、全米鉄鋼労組からシャーマン・クラウダーを新メンバーに迎えた。トニー・マーフィーとホセ・ワグナーは委員を辞任した。他のメンバーは2人の新天地での活躍を願っている。

[2011年11月11日 ロブ・ジョンストン]