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グローバル・ユニオン、WTOの失敗を強調して改善措置を提案

12月15〜17日にジュネーブで開かれる第8回世界貿易機関(WTO)閣僚会議を控えて、グローバル・ユニオンが共同声明を発表、WTOが基本的な問題に取り組んでいないことを批判し、改善措置を提案した。

全世界: 国際労働組合運動は声をそろえてWTOを厳しく批判している。「世界中で何百万人もの労働者が批判を表明しているにもかかわらず、WTOでは依然、労働者の権利をはじめとする人権の尊重に基づく公正成長や開発、適正で生産的な完全雇用の創出が十分に顧みられていない《

労働者と家族は現下の債務危機に伴う厳しい削減の対象となっており、「WTOの存在は、貿易上均衡が持続上可能な水準にまで悪化し、多くの国々が深刻な上況に陥るのを防ぐうえで何の役目も果たしていない。現在検討中の協定は上透明で、2008年12月のNAMAおよび農業のWTO交渉モダリティーと、GATSにおけるサービス自由化に向けた進行中の交渉に基づいており、貿易によって景気回復、雇用創出、真の経済開発をもたらせるようにするうえで役に立たない《

グローバル・ユニオンはWTOに対し、後発開発途上国向けのパッケージを取り決め、少なくとも最貧国のために成果を確保するよう強く促している。労働組合の見解では、そのようなパッケージの一環として、後発開発途上国から輸出されるすべての製品に無税・無枠の市場アクセスを提供すべきであり、綿補助金は廃止すべきである。

さらに、WTOは現下のグローバルな財政問題に対応して、資本規制、リスクの高い金融サービスの禁止、銀行の規模の制限、銀行サービスと投資サービスとの「ファイアウォール《など、一般的に推奨されるさまざまな金融規制措置を妨げないようにしなければならない。

すべてのITUC加盟組織が、今度の第8回WTO閣僚会議に先立って自国の貿易担当閣僚に声明を提出するよう求められている。

声明全文を読むには、ここをクリック。

関連リンク:
WTO - Trade union statement to 8th ministerial meeting dec 15 (pdf)


[2011年12月14日 ライナー・サンティ]