IMFニュース・ブリーフス

タタ労組がネットワーク構築に尽力

オーストラリア、インド、英国、ニュージーランド、北米の労働組合指導者は、タタ・スチール・ネットワークを通して労働者を組織化し、労働者の権利を促進するための戦略を引き続き策定している。関連組合は12月7日にジャカルタで会合を開き、2012年のネットワーク会合前に協力を強化する行動計画に合意した。

インドネシア: 世界有数の鉄鋼メーカーであるタタ・スチールは、ヨーロッパ、アジアおよび東南アジア全域で生産施設を買収・設立し、世界的勢力を広げ続けている。タタはインド系メーカーとしてより広く認知されているが、今や真の多国籍企業であり、インド、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、オランダ、英国など多くの国々に生産施設がある。オーストラリアとニュージーランドに配送センターがあり、活動範囲をさらに広げている。カナダでも採掘事業開発計画を発表している。

タタは社会的価値を促進しており、インド事業では100年近くにわたって良好な労使関係を保っているが、他国では事情が異なる。例えば英国の労働組合は、2009年に生産施設の閉鎖・休止計画が発表されたあと良好な関係を回復するために、インドの労働組合と最高経営陣の介入を求めなければならなかった。

さらにヨーロッパの組合は、タタがコーラスを買収して以降の情報共有方法の変化にも懸念を抱いている。こうした懸念にはネットワークの今後の行動計画で取り組む予定であり、経営側が現行情報システムの改善案を受け入れることが期待される。

タタには、すべての事業所における活動方法を定めた行動規範がある。これらの価値観が監視と実施を通して守られるよう確保するうえで、労働組合は重要な役割を果たすことができる。インド事業の労働組合は、これを達成するためのメカニズムをすでに構築しており、他国の組合も同じメカニズムを確立したいと考えている。

ネットワークを開発するために、組合は情報を交換して行動計画に取り組むことに合意した。行動計画は2012年の会合後に更新される。この会合はタイで開かれる予定で、組合は会社側によるネットワークの承認を目指して協調的行動を取ることにしている。タタ・スチールはタイに巨額の資金を投じており、イースタン・シーボードにかなり新しい生産施設がある。

IMFは2012年3月にインドで鉄鋼プロジェクト諮問会合を開催する予定で、この会合は組合側の考えを経営幹部に提示する追加の機会を提供すると期待される。

ロブ・ジョンストンIMFエグゼクティブ・ディレクターは次のように述べた。「中央委員会は、私たちが集まって、2012年のネットワーク会合に備えていくつかの行動項目に取り組む良い機会となった。タタと誠実に協力してネットワークの承認を達成したい《

[2011年12月8日 ロブ・ジョンストン]