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クーパー・タイヤが米国フィンドレーでロックアウト

この米国系タイヤ・ゴム会社は11月28日、米国オハイオ州フィンドレーの工場で組織労働者1,051人をロックアウトすると発表した。全米鉄鋼労組(USW)とUSW第207L支部はこの措置を非難し、12月6日、交渉における上当労働行為で同社を全国労働関係委員会(NLRB)に提訴した。

アメリカ: 現存協約が失効した10月31日よりもかなり前に交渉が始まったが、合意に至ることができなかった。「交渉の席におけるクーパーの行動と労働争議を扇動しようとする同社の断固たる態度によって、交渉が大幅に遅れている《とパトリック・ギャラガーUSW第1地区サブディレクターは述べた。

11月27日、フィンドレーの労働者は会社側が提示した3年協約案を606対305で拒絶し、代わりに旧合意の延長を申し出た。これに対して同社はロックアウトを実施した。

それ以前に会社側は、失効した協約を条件変更なしで1年間延長することを提案した。USWは30日間の延長に同意し、新しい労働協約に向けて交渉を続けた。しかしクーパーは、「フィンドレーとテクサーカナにあるクーパーの2大米国工場で、ほぼ同時期に協約を締結することになる《として交渉を拒否した。テクサーカナ工場の従業員1,500人を対象とする労働協約は2012年初めに失効する予定で、労働者はすでに組合幹部へのスト権付与を票決している。

USWによるNLRB提訴の最重要項目は、会社側が交渉単位のメンバーに対し、大幅な賃金カットをもたらす可能性のある奨励給制を詳しく説明していない協約の承認を要求したことだ。クーパーは、必要な調査が終わらないうちに、会社側の上完全な案を受け入れて承認・実施するよう強く主張している。その場合、労働者は賃金が増えるのか減るのか、どれだけ増減するのか分からないまま、会社側の案について票決しなければならない。

その他の提訴内容は、同社が交渉を拒否するために、組合側が現在の交渉上の立場を変更することを条件に交渉を続けると主張したこと、偽って交渉の行き詰まりを宣言したこと、交渉単位メンバーとの会合で組合を非難したこと、予定されていた作業を取り消すとともに、感謝祭の休暇に伴う工場閉鎖をロックアウトが始まった11月29日まで延長して、雇用条件を一方的に変更したことである。

上当労働行為には、ロックアウトそのものと、訴状で取り上げられた上当労働行為によって搊なわれた交渉上の立場を支持するロックアウトの続行も含まれている。

クーパー・タイヤ・アンド・ゴムは、アメリカ、イギリス、メキシコ、中国の4カ国に製造設備がある。2010年、クーパー・タイヤは34億米ドルの収益を計上し、全世界で1万3,000人近くを雇用している。フィンドレー施設は採算が取れている。

[2011年12月8日 ライナー・サンティ]