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シンター・メタル労働者が勝利

トルコの金属労組ビルレシク・メタル・イスへの加入を理由に解雇された労働者が、3年に及ぶ辛く厳しい闘いを経て最終的に正義を勝ち取った。この闘争によって、会社側の反組合的な行動のみならず、トルコの法律制度が衰弱している実態も明らかになった。

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トルコ: 争議発生から3年後、トルコの最高裁判所はようやく最終的な判決を言い渡し、多国籍部品メーカーのシンター・メタルがIMF加盟組織ビルレシク・メタル・イス加入を理由に労働者を解雇したと結論づけた。

闘争の発端は2008年12月、ビルレシク・メタル・イスの組合員であるシンター・メタルのブルーカラー労働者378人全員が不当解雇されたことである。数週間後の2009年1月、さらに16人が解雇された。

その直後に労働者と組合は復職を求めて訴訟を起こし、国際的なグローバル行動を呼びかけた。

IMFと欧州金属労連、それに世界中の加盟組織は同社に対し、労働者の復職を繰り返し要求した。IMFとEMFはシンター・メタルでのピケに何度か代表団を派遣し、自動車労組は大手自動車メーカー各社に対し、労働者の基本的権利の尊重を同社に強く求めるよう圧力をかけた。

IMFが外部の法律専門家に公判を傍聴させて圧力を加えた結果、この種の事件の法定期限より2年10カ月遅れて、2010年12月15日にようやく労働者に有利な判決が言い渡された。裁判所は、労働者が解雇されたのは、会社の主張とは違って経済的理由によるものではなく、労働組合に加入したためだとの裁定を下した。シンター・メタルは、労働者を復職させるか、賃金12カ月分および裁判費用としてさらに同4カ月分の補償金を支払うよう命じられた。

会社側はこの決定を不服として最高裁判所に上訴したが、IMFとトルコの組合は国際労働機関を通してトルコ政府に圧力をかけた。2011年12月、最高裁は地裁判決を確認した。当初の復職要求者数は291人だったが、2年に及ぶ訴訟手続きの間に104人が訴訟を取り下げ、187人が残った。

「最高裁判決は大いに歓迎される結果だが、シンター・メタル労働者と組合にとってはほろにがい勝利だ」とユルキ・ライナIMF書記長は述べた。

「破綻した法律制度と企業を処罰しない文化にあおられて、トルコではこの種の事件があまりにも多すぎる。今日の勝利を祝福できるのは、自分たちに不利に働く制度に負けず、料金が高い弁護士と多額の政治資金を持つ企業にも負けず、労働者の権利が尊重される状況下で子どもたちが働いて生活できるようにするために、あと1日頑張れると信じて闘ったシンター・メタル労働者の決意のおかげだ」

「トルコの司法制度が抱えるこの明らかな欠陥を政府に提起し、シンター・メタルのような反組合的企業に対して労働者の諸権利を保障するために変革を強く要求していく」とライナは付け加えた。

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[2012年1月19日 ライナー・サンティ]