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2億人が失業

「世界の労働市場が3年にわたって持続的な危機的状況にあり、経済活動がさらに低迷すると予想される中で、全世界の失業者数が2億人に達している」と、ILOは年次報告書『世界の雇用情勢2012−仕事の危機の深刻化を防ぐ』で述べている。

全世界: ILOは、毎年推定4,000万人のペースで増加する労働者を吸収するために、今後10年間に4億人を超える新規雇用が必要になる、とも述べている。
つまり、世界は今後10年間に6億人の雇用を創出するという課題に直面している。もう1つの課題は、主として発展途上国で1日2米ドルの貧困線以下で家族とともに生活している推定9億人の労働者のために、ディーセントな雇用を創出することだ。

雇用危機は相変わらず続いている、とフアン・ソマビアILO事務局長は述べた。「全世界で労働者の3人に1人(11億人)が失業しているか、貧しい暮らしをしている。必要なのは、実体経済における雇用創出を最優先課題にすることだ」

報告書のハイライトは以下のとおり。

●9億人の低収入労働者の約半分が1日1.25米ドル以下の極貧生活を送っている。
●脆弱な雇用に就いている労働者数は2011年に15億2,000万人となり、2000年以降1億3,600万人増加した。
●女性の50.5%、男性の48.2%が脆弱な雇用に就いている。
●ラテンアメリカと東アジアの新興経済では、好ましい経済条件のおかげで雇用創出率が労働力成長率を上回り、内需を下支えしている。
詳しい情報についてはILOウェブサイトを参照。

関連リンク:
Global Employment Trends 2012: Preventing a deeper jobs crisis


[2012年1月30日 ライナー・サンティ]